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更新日記と小説(18禁)とたまに嘆き. 嫌いな方・興味のない方・間違っちゃった方はバックバック

2024

0519
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2008

0423
涼子からその日のうちに深岬の携帯に謝罪のメールが入った。

『今日はゴメンね…』

という簡素なものだったが、深岬も同じように言い過ぎたと謝りのメールを入れた。
その後の返事はなかったが、恐らく大丈夫だろうという確信のようなものはあった。
深岬のその考えは間違いじゃなく、次の日からは普通に過ごしていたと思える。
当初は、ぎすぎすしたような空気が2人の間には、流れていたが時間が解決してくれた。



そして、時間はもう一つの変化をもたらした。

「彼女できた~」

と間延びした声で言うのは津田 旭その人だ。
でれっと笑いながら言うのは、ココに深岬しかいないから―。
いつものように深岬を誘って買い物に来たのはいいのだが…彼女がいると分かっていたのなら深岬は、津田と2人でこんなところには来ない。
そもそもなんで深岬が津田の買い物に付き合わなければならないのかという疑問が浮かんでくる。
ご飯を食べようといわれて適当に入ったファミリーレストランの机の下で脛を思いっきり蹴り上げると悲鳴があがる。

「いたいっ!」

―痛いじゃないっつーの。

「彼女できたなら早く言えっつーの。分かってたらあんたに付き合って買い物なんかこなかったのに…」
「何で?」
「何でじゃないわっ!このウスラトンカチ」

一応声は抑えてはあるものの、深岬の顔はこわばっていた。
しかし、津田は何故深岬がそんな怖い顔をしてそんなことを言うのか分かっていない様子で、首を傾げている。

「あんたねぇ。彼女からしてみたら、自分以外の女と買い物に行くなんて言語道断よっ。私、嫌だからね。いらぬ嫉妬浴びて迷惑被るの!本当に!マジで!勘弁っ!!」

食事を中断して端を握り締めて言う深岬の剣幕に津田は、飲まれるようにして頷く。

「う…うん」
「分かったのならよろしい」

津田が頷いたのを見てふぅっと息を吐き出しながら椅子に座りなおす深岬。
やはり、どこかずれてると思わずにはいられなかった。

いずれ、どこかで会うだろうなと思いながらも津田の彼女が自分のことを誤解しなければいいが…と淡い期待を寄せながら中断していた食事を再開する。
それと同時に涼子がどうでるかなと思ったりもした。





しかし深岬の予想は外れ、その後深岬が津田の彼女に会うことはなかった。
それどころか当初はもう少し疎遠にはなるだろうと思っていた深岬だったが、津田との時間が減ることもなかった。
そんな様子に深岬は首を傾げずにはいられないのだが、これが津田の付き合い方なのかもしれないと口に出すのは止めた。

講義の後は、深岬達と時間を過ごすし、昼ごはんのときも一緒だ。
キャンパス内を歩いていると声を掛けられるのも前と変わらない。

「旭クン」
「ああ。小西サン」
「ねぇ、最近、彼女できたって本当?」
「本当」

最近の話題は専らこれだ。
今日、声をかけてきた彼女も今までの声をかけてきた者達同様の話題を吹っかけてくる。
その度にどれだけ顔が広いのかと言いたくもなるが、声をかけてくる津田の知り合いは毎回のように横にいる深岬を意味深な視線で見つめるのだが、すぐに津田が彼らのそんな視線に気づいて否定する。

「深岬ちゃんじゃないよ」
「えー?てっきり一緒にいるからそうかと思っちゃった~」
「深岬ちゃんは友達」

などと言ってくすくす笑うその笑いの意味に気づかない深岬ではなかった。
特に女に限ってそれが顕著だ。男の場合、仕方ねぇなというような意味合いを込めた苦笑だったが、女の場合それが明らかな嘲笑に変わる。
声に出して、「やっぱり?」という者もいれば含みのある笑いをするだけの者もいる。
最初の頃こそ、一々頭にきていた深岬だったがそれが何度も続けば慣れるというもの。
最近では彼女達が去っていった後に謝ってくる津田が鬱陶しく感じるほどだ。
彼女達は、気に入らないのだ。自分みたいな取り分け美人でもない十人並みの女が津田の傍にいることが―。

「ゴメン」

いつものように津田に話しかけてきた人物の姿が見えなくなった後のお決まりの台詞。
深岬は一瞥をくれてやるとぴしゃりと言い放った後にヒールの音を鳴らして津田を置いて先を歩く。

「あんたが謝る必要なし!」
「はい…でも…」
「五月蝿い。あんたってどんだけ顔が広いの?」
「いやー、見たことあるなぁって程度の子もいるんだよ?でも向こうが声かけてくるから…」
「あ、そ」

聞けば聞くほどまるで自分は、声をかけてくる者たちのことは興味ないというように―何だかひどい台詞に聞こえなくもない。
深岬は聞いておきながら適当に返事をしてつかつかと先を歩くとすぐに慌てて追いかけてくる。

「待ってってばぁ」

無視して先を歩いていると走って追いかけてきた津田が深岬の前に立ち、にたりと人の悪い笑みを浮べてぼそりと呟く。

「焼餅?」
「帰る」

冷たい一瞥とともに言い放つ。

「ごめーん。もう言わないから待ってくだしゃい」
「知らん」

と言い捨てても後を追ってくるのだから仕方ない。
津田が追いついたところで立ち止まって相手の顔を見上げる。
深岬の真っ直ぐの視線に戸惑いながらも視線を合わせる。

「彼女、文句言わないの?」
「へ?」
「私みたいのがうろちょろしてるって知って文句言わないのって聞いてんの。あんた、付き合う前と付き合った後も全く変わらないんだもん。もっと彼女と過ごしてやれば?」
「やだよ」

深岬の苦言に津田はきっぱりと答えた。
自分が間違っているのかと思えるほどはっきりとした答えだった。

「深岬ちゃんとの時間減らしてまで会う彼女なんかいらない」

その台詞に深岬が盛大に顔を顰めたのは言うまでもない。

「あんた、それ変!」
「どーして?」

びしっと指を指して断言した深岬に不思議そうな顔をする津田。

―こっちがそんな顔したいっつーの!

と心の中で叫ぶ。

「私だったら絶対嫌っ!」
「えー」

津田の眉間に皺が寄る。

「考えてもみなってば…おっかしいでしょ?ただの友達と彼女どっちが大切?」
「深岬ちゃん」
「だから私じゃなくて…」

どうやって言えば相手に上手く伝わるかと深岬が少しイライラしながら言葉の選択をしていると落ち着いた声が聞こえてきて、深岬はゆっくりと相手の顔を見た。

「彼女は別れたら終わりだけど、友達は違うでしょ。だから、彼女より友達を優先するの」

真摯な津田の表情に毒気を抜かれたように深岬は言葉を失った。
ただ呆然と自分の顔を見てくる深岬に特に気にした様子を見せることもなく、薄く笑いながら「行こう?」と言われてしまい、深岬は頷くしかなかった。
その後、津田が付き合い方を変えるということは全くしなかった。

この数日後、漸く深岬は津田の彼女に出会うことになった。
同じ大学の4年生。
最初に向けられたのはあからさまな敵意で辟易したものだった。
だが、それは津田 旭という人物の友人をやっている限り切っても切り離せないものなのだろうと諦めることにした。
なんだかんだで友人というポジションを気に入ってるのも事実なのだから――。
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2008

0422
電車に揺られているとバッグの中にしまってあったマナーモードにしてあるそれが震えて、着信を告げる。
うとうととしていた深岬は、目を擦りながらバッグの中から取り出して、確認する。

『相談があるんだけど…明日いい?』

というメールは、言わずもがな涼子からのものだった。
文面を確認した深岬は、やっときたかと思いながらも快諾するようなメールを返信する。
存外遅かったなと感じながら―。

深岬が涼子と津田が揃っていなかった日に津田の友人達と昼を一緒に食べに行った先で彼らから言われたことに―彼らを通した涼子の意思に腹を立てた日から数日が過ぎていた。
言いたいことがあるなら面と向かって言えと彼らに切り捨てた深岬に対して、あまりに早い行動だと怪しまれると思ったのだろうか。
それから、数日経ってから漸く涼子からメールが来た。
深岬に一喝された彼らは、翌日から妙によそよそしかったが、涼子は普通に接してきたものだから、いつ彼らから深岬の言葉を聞いていたのかはわからない。
どういう出方をしてくるかと思いながら深岬は、小さくだが卑屈な笑みを浮べた。





その日は、深岬の部活の練習日にあたらなかったためにそれは講義終了後になった。

「深岬ちゃん。買い物行こうよ」

講義終了直後に教室を出た深岬にそんな日に限って間の悪くそんなことを言ってくる津田。
横には涼子もいる。
涼子の方が先約なのでばっさりと切り捨てる深岬。

「無理っ」
「何で?今日は部活ないでしょ」
「涼子と約束してるの。ゴメンね」

ちらりと津田が深岬の横にいる涼子に視線を走らせる。

「仕方ないか…。じゃ、また今度」

と手を振って別れたのだが、すぐに携帯がぶるぶる震える。
深岬には、それが誰からのものか分かっていたので敢えて見なかった。
涼子との話が終わった後に確認すればいいと思ったからだ。

「どこでする?」
「家でいい?」
「別にいいけど」

と言って涼子の家に向かう。
部屋に入って小さなローテーブルを挟んで向かい合う。

「あのね相談っていうのは、旭クンのことなんだけど…」
「分かってる。それで、私にどうして欲しいの?」

数日前に分かってはいることだが、敢えて聞く。

「お願いっ。協力して欲しいの」

顔の前でパンッと手を合わせて顔を軽く下げる。
意外と正攻法で来たかと思った深岬だったが、よくよく考えてみたらその前にワンクッション置かれているわけだから正攻法であるとは言いがたいなとのんびりと考えていた。
反応のない深岬に涼子が上目遣いに深岬を見る。
涼子と目のあった深岬は、にっこりと笑う。

「嫌」

ちょっと意地悪いかもしれないが、深岬ははっきりと答えた。

「え…なんで?」

驚愕に見開いた目で涼子が力の抜けた声で言う。
断られるとは思ってもみなかったのだろう。
いい返事が貰えるとでも思っていたのだろうか―。と深岬は思わず笑いそうになった。
本来ならば、いいよと言って頷いてやるべきなのだろうが深岬は津田の気持ちも知っているだけに頷くことはできなかった。

「友達でしょ?」

―来たな。

即座にそう思った。
利用するための友達―。

便利な言葉だ。
間をおいた後、軽く息を吐き出しながら諭すように言う。

「友達って便利な言葉よね」

意味深な発現をする深岬に涼子の顔が怪訝な顔つきになる。

「そうやって言えば協力したくなっちゃうのかなぁ」

勿体つけるように言う深岬に、一番初めに深岬がはっきりと「嫌」と言ったはずなのに、涼子は期待に満ちた目をして深岬を見つめる。
そんな涼子を調子のいい子と思いながら深岬は続けた。

「そういう時に“友達”っていう言葉を楯にするのはおかしいでしょ。それに…津田も私の友達だよ。どっちかに肩入れするっておかしいでしょ?私からしたら2人とも友達だから何もしない。協力もしなければ、邪魔もしない…」
「嘘」

深岬の言葉は途中で遮られた。
涼子の睨みと共に―。

「深岬ちゃんは、嫌なんでしょ?私と旭クンが仲良くするの。だからいっつも邪魔するんだわ」

険のこもった台詞に深岬の顔が顰められる。

「私がいつ邪魔したっていうのよ」

邪魔も何もそもそもただの傍観者に徹していたのだから、深岬にそんなつもりは毛頭ない。
こんな風に責められることすら想像もしていなかった。
言い返す深岬の語気も自然と強くなる。

「いっつもいっつも私から旭クン取っていっちゃうじゃない」
「取った覚えなんてないわよ。あいつが勝手にしてることじゃない。それにねー、アイツの彼女は相当疲れるよ。見た目だけで惹かれてるならやめた方がいい」
「何それ自慢?自分の方が好かれてるって?自分の方が旭クンのこと良く知ってるって?最悪ー」

嫉妬に駆られてそんな言葉を口にする涼子に、分かってはいても深岬は聖人君子ではない。悪し様に言われれば腹も立つ。

「私のこと影で笑ってるんでしょ?何で旭クンも深岬ちゃんがいいのかわかんな…」
「いい加減にしなよ」

深岬の発した低い低い声に涼子が息を呑む。

「アンタ…、自分の言ったこと分かってるの?あいつのことも否定してんじゃん。本当に好きなの?」

深岬の言葉に口を噤む。
言い返してこないのをいいことに続けざまに深岬は吐き捨てるように言う。

「上手くいかないからって人の所為にすんなっ!腹の立つ……。少なくとも上辺だけに惹かれて集まってくる女とは付き合わないよ。それをアイツはきちんと見抜いている」
「違うもん…上辺だけじゃない…」
「あ、そう。それならそれでいいけど、私には関係ないことだわ。けどね…津田はあんたのことそうやって見てる。振り向かせたかったらその誤解を解くところから始めないと何やったって無駄よ」

深岬は冷たく言い放つ。
それでも、助言を一つ残してやる。
黙って下を向いた涼子にもう一度大きく息を吐き出して横においていたカバンを掴むと立ち上がる。
衣擦れのする音に涼子が深岬を見上げる。
2人の視線がぶつかりあったところで深岬が憮然とした表情で告げる。

「帰る。これだけは言っておく。私は、あんたの味方もしなければ、津田の味方もしない。やるなら2人でやれっつーの。人を巻き込まないでくれる?」
「み…さきちゃん」

上から少し目の潤んだ涼子を見下ろしながら言い放つ。
その姿はふんぞり返っているようにも見えてどこか偉そうだ。

「そういう顔は、私には通用しないから…やるなら津田の友達にでもすれば?…後一ついいこと教えてあげる。津田は、自分のために人を利用する子嫌いよ」

涼子が目を見開く。
心当たりがあるからだろう。
深岬もそのつもりで言った。言外にお前のことだとばかりに―。
そのまますぐ近くにある玄関に歩いていく。
最後に座ったまま動かない涼子を振り返る。

「話ぐらいなら聞いてあげるから…」

と言葉を残して涼子の家を出た深岬だった。



外に出るなり、震えていた携帯の存在を思い出してチェックするとやはり深岬の想像した通り、津田からだった。

『何かあった?』

雰囲気で感じ取ったのかもしれない。
そのメールにくすりと笑って深岬は電話をかける。
相手は、暇をもてあましていたのか直ぐに出た。

『もしもしっ!』
「うるさい」
『あ、ごめん…で…』
「何を聞きたいの?」
『あの鈴木さんと…』
「ああ、相談乗ってただけ。もう終わったから買い物行くなら付き合うけど?」
『それって…僕のコト?』
「自惚れんなバカ」

間髪入れずに言い捨てる。
どちらの味方もしないと言った時点で涼子とのことを津田に言うのはアンフェアな気がした深岬は黙っていることにした。
涼子が深岬の言葉に何かを感じて変わるならそれもあり、2人が付き合うなら付き合うで津田と深岬との関係にちょっとした変化は現れるかもしれないが別に自分には関係ないことだ。
付き合わないなら付き合わないでも別にいい。
それは、2人の問題なのだから。
電話の向こうで恐らく不満げな顔をしているであろう津田を想像して早々に話を切り替える。

「行かないっつーんならこのまま私帰るけど?」
『行く。行きますっ。だから帰っちゃヤ!』

食いついてきた津田にもう一度小さく「バカ」と言って電話を切る深岬だった。

2008

0421
「あれ…珍しい」

ぎりぎりで教室に滑り込んだ深岬は、そこに津田と涼子の姿がないのを見て小さく零した。
津田がいないことはままあることだが、涼子がきていないのは珍しかった。
そんな日もあってもおかしくないかと深岬は、適当な席に座った。
津田の友人達は相変わらず固まって座っていたようだったのでその近くに腰を下ろした。



遅刻でもしてくるのかと思ったが、結局2人は講義終了まで出てくることはなかった。
講義担当の准教授が出て行った後、昼をどうしようかなどと考えながら立ちあがるとふいに声をかけられる。
その声に振り返るとそれは、津田の友人達だった。
最近は行動を共にすることが多かったので、不思議なことではない。

「飯どうする?」
「どうするって学食でいいじゃん」
「3コマないし、外いかね?」
「ああ。まぁいいけど…」

という具合に今日の昼はいつもの学食から外に変わった。

「どこ行くの?ラーメン?定食?」
「進藤さんのチョイスって何だか俺らみたい…」

彼らからの指摘に深岬が立ち止まって考えてみると自分の口から出てきたのは、津田と行ったところばかりだった。

「そう?津田と行ったところばっかなんだけど?」
「あいつと?そんなところに?」

何もおかしいところはないのだろうと深岬は思うのだが、彼らは互いに顔を見合わせている。

「何か変?あいつ意外に安くておいしいところ知ってるのよねー」
「そんなにあいつと行ったりしてるの?」
「んー。そんなに回数は行ってないと思うけど…基本学食なんだけど急にあそこに行きたいとか言い出すから…。そのたびに面倒くさいって言うんだけど、奢るとかなんとか言ったりして譲らないんだから。頑固なのよ頑固」

きっと津田のことをこんな風に言うのは、深岬だけだろうと彼らは思う。

「奢ってもらえるなら行けばいいんじゃない?」
「何で奢られなきゃいけないのよ。あいつもおかしいのよ。女の子にはそうして当然だと思ってたとか言うし。ばっかじゃないのー」

けたけたと笑いながら深岬は先に教室を出る。
その後を津田の友人達が追いかける。

「さぁどこ行くの?」
「マックでいい?」
「うん。いーけど」

案外あっさりと行き先は決まり深岬と津田の友人の3人、合わせて4人で大学近辺にあるファーストフード店に向かう。
昼時ということもあり、深岬達と同じように学食に飽きたか或いは、時間に余裕があるからか外に食を求めた学生達が多くいる。
適当なメニューを選択して、あらかじめ取っておいた席に座る。
最初は、雑談交じりにハンバーガーを食べていた深岬だったが、大方食べ終わりセットメニューのポテトを摘みながら何気なく聞いた。

「今日、アイツは?」
「津田?」
「うん」
「さぁ?」

深岬が知らないように彼らも津田が来なかった理由は知らないようだった。
知らないのかと思ってまた食べることに集中しはじめるのだったが…。

「でも、あいついなくて良かったな…津田がいたから俺らなかなか話せなかったんだよな」
「あいついっつも進藤さんにべったりで睨みきかせてるからな」
「睨みなんかきかせてないわよ」

否定しながらも急な彼らの言葉に首を傾げながら3人を見る。
既に食べ終えていた3人は、深岬をじっと見つめる。
6つの瞳に見つめられるのは、何だか落ち着かない。

「何よ?」
「進藤さんって津田のことどう思ってるの?」
「は?」

突拍子もない問いに深岬の目がまんまるになる。
手にしたポテトを食べようと開いたままの口で固まる。

「津田は、『深岬ちゃんは友達』って言ってるけどさ。進藤さんは、津田のことどう思ってるのかなぁなんて。ほら、あいつってば男の俺らからみてもいい男だからあんなのに懐かれて恋愛感情…」
「ないわよ」

皆まで言い切る前に深岬はばっさりと言い捨てる。

「私も津田と同じ。アイツは友達。だって、私、他に好きな人いるし」

深岬が答えてポテトを口に含んでいると3人は顔を見合わせた。
そして、すぐに深岬に向き直る。
それが何だか気持ち悪い。

「何?まだ、何かあるの?」
「じゃあさ…もう少し涼子ちゃんに協力してあげてもいいんじゃない?」

1人が発した言葉に、他の2人がうんうんと頷くのを見て、「こいつらこれが狙いか…」と漸く悟った深岬だった。
おせっかいか、頼まれたかは深岬には判断はつかないが…。じとりと3人の顔を睨む。
涼子のことを呼ぶのも苗字でなく、名前だ。いつの間にこんなに親しくなったのか―。
少なくとも数日前まで、苗字で呼んでいたはずだと記憶している。

「あのさぁ、あんた達津田の友達じゃないの?」
「そうだけど?」

深岬の記憶している限り津田が彼らを友達と思っているかどうかは甚だ疑問だが…。
彼らはそのように思っているようだった。
口に出して答えたのは1人だけだったが、表情から伺うに他の2人も同様だろう。
何を聞いてくるんだという顔つきまでしている。

「津田が涼子のことどう思ってるか聞いたことある?」
「そんなの聞くまでもないだろ?」
「あんな可愛い子に好かれて嫌な思いする男なんていないだろ?」

―お前らバカか…。

と口にしそうになったのを深岬は堪えて心の中でとどめておく。
しかし、表情までは繕いきれなかったようで、深岬は引きつった顔をしていた。
そんな深岬に彼らのうちの1人がいう。

「進藤さんが津田のこと好きだって言うなら涼子ちゃんに協力しないのもわかるんだけどさぁ」
「そりゃ、ライバルだったら嫌だろうし…」
「そうじゃないんならもうちょっと協力的になってあげてもいいんじゃないの?」

代わる代わる尋ねてくる彼らに深岬の眉間に皺がよる。
しかし、彼らは深岬の変化に気づいていない。
涼子のための行動に酔いしれてるのかもしれない。困っている彼女のために何かしてあげているという自分達に―。

「見返り何?」

声のトーンを下げて言った深岬にぎょっとしたような表情を見せる。
深岬はそれだけで確信した。
涼子に頼まれてこうやって自分に言ってきたのだと…。
そして、涼子からは何か見返りがあるのだ。

「何言ってんの?」

その惚けたが怪しい。
一度、そう思ってしまうと何もかもが疑わしく見えてくるから不思議だ。

「いや、最近の涼子ちゃんがあまりに可哀想で…」
「慈善事業?」
「さっきから何言ってるの?」

深岬の挑戦的な表情と言葉に今度は彼らの表情が曇った。

「涼子に何言われたか知らないけどね。あんた達、津田の気持ちも汲んでやったらどうなの」
「そういう進藤さんは涼子ちゃんの」
「私、涼子だけの友達じゃないの。津田とも友達なの。言いたいことあるなら、私に面と向かって言えって言っといて。裏から手を回すような汚い人間に協力してあげるほど優しい人じゃないの。私」

最後ににっこりと笑って言い捨て、立ち上がるとまだ食べかけのトレーを持って、その机から離れる。
彼らの視線に気づいてはいたが振り返ることはしなかった。

気分は最悪―。

2008

0420
「深岬ちゃん。昨日と同じ服」

会うなり目ざとくそう言うのは、津田だった。

「うるさい。そこに触れるなバカ」
「バカって言った方がバカなんだよぉだ。飲み会?」

小学生のような返しをする津田にいつもなら一つと言わず二つくらい憎まれ口を叩くのだが、今日の深岬にそんな余裕はなかった。

「そうよ」
「何かお疲れモード?」
「分かる?」

げっそりとした顔で問う深岬にこっくりと頷く。
深岬の目元にはクマがういていて、傍から見ても疲れているということがわかる。

「分かる。何だか人生に疲れたオジサンみたい」
「一言余計」
「痛いっ!」

余計な一言を発したがために深岬の制裁が津田に加わる。

「本当のことなのに」

もう一発。

昨日の疲れが取れないというのに、馬鹿の相手をしていられなかった。
強制的に参加させられた深岬は、旅行のときのように自ら醜態を晒すことはしなかったが、多大なお荷物の処理はさせられた。
旅行のときに坂上の車の中で聞かされた雪子を目の当たりにして、その処理の役目が深岬に回ってきたのだ。
遅れて飲み会に参加した小島に酔いつぶれた状態で絡み、離れなくなった雪子を無理やり引き剥がして、家へと連れ帰る。
ぐでんぐでんになった状態の雪子が歩けるわけもなくまた深岬一人でそんな状態の雪子を連れ帰ることは不可能だったので、男の部員が運んではくれたのだが、その後が厄介と言えば厄介だった。
雪子の家に着いた深岬は今度は、泣き始めた雪子の相手をしてほとんど寝れなかったのだ。
だから、睡眠不足の状態と精神的な疲労の両方が今の深岬を襲う。
今すぐにでも帰りたい。
寝たい。

「深岬ちゃん。また2日酔い?」
「違うわボケ。そうそう何度も2日酔いになって堪るか」
「もう機嫌悪いなぁ」

少しのことに声を荒げる深岬だった。
津田の言うことは尤もで、口にされると自分が八つ当たりしている様がよくわかる。

「あ…あたしのことはいいから…あんたはどーなのよ」
「僕?何のこと」
「決まってるでしょ」
「ああ。相変わらず~」

苦笑を浮かべる津田に「はあぁ」と大きく息を吐き出す。

「いい加減にはっきり言っちゃえば?この際」

と口にするのはいい加減にこの状態から解放されたいからだ。

「そうしたいのは、山々なんだけどねぇ」
「思わず、昨日の飲み会で先輩に愚痴っちゃったわよ。友達の板ばさみで苦労してるんですーって」
「何か言ってたぁ?」
「あんただったらそりゃ仕方ないって言われて終わりだった」

力なく言う深岬に軽く笑って返す津田。

「笑い事じゃないって…。私、いい加減疲れてきたんだけど」
「ごめーん。でも見捨てちゃイヤっ」

半分ふざけながら言う津田だったが、瞳が笑っていない。
それに気づいているから深岬も冗談めかして言う。

「見捨てないわよ。見捨てるとあんたが拗ねるって分かってるから」

嫌味を含ませた深岬に対して、それでも見捨てないという言葉が嬉しいのかにこにこっと顔の筋肉が緩んでいる。

「みっともなく緩ませるな」
「はいっ!」
「バカ」
「だからぁ」
「バカっていう人がバカなんでしょ。そーよ、どうせ私はバカですよー」

すたすたと先を歩いていく深岬を早足で追いかけてくる津田。
教室に入って適当な席に座る。
すると勿論、遅れて津田が深岬の横に陣取って座る。

程なくして涼子も姿を見せる。
軽く挨拶をして彼女は深岬の横ではなく津田の横に座った。
最近はずっとこうなので、深岬も特に気にはしていない。
津田も慣れたもので、別に動じる様子も見せない。

少し遅れて津田の友人達が入ってきて深岬の前に座るとちょっとした一団ができあがる。

「そーいえば昨日の夜、進藤さん見かけた」

突然、話を振られた深岬がきょとんとした顔で前の席に座る津田の友人を見返す。
昨日と言われて思い当たるのは、まぁ碌な姿じゃない。
軽く引きつった笑みを浮かべながら「どこで?」と聞く。

「道で、何か嫌がってるところ無理やり引きづられてるっぽかったけど、何だったの?あれ?」
「飲み会に参加しろって引っ張られてたのよ」
「部活?」
「そうそう。見てたなら声かけてくれれば良かったのに…そしたら帰れたかもしれないじゃん」

むっとした表情で言う深岬だったが、彼に非はない。

「無理だって。あんなところで声かける勇気ねぇもん」
「コイツだったら、間違いなく声かけてるわよ」

横に座る津田の顔を親指で指しながら言う。

「津田の場合、進藤さんに呼ばれたら飛んでいきそうだなぁ」

軽くおどけながら言う友人の言葉に、深岬も全くもってその通りだと思ってしまう。
津田も津田で苦笑を浮かべながら、その友人の言葉を肯定する。

「深岬ちゃんだったら仕方ないか」
「ほらな?」

と軽く笑いあうのだがその会話に涼子が入ってくることはなかった。



講義中に横に座る津田が深岬の腕を突っつく。
一体、何かとそちらに顔を向けると津田が普段講義のノートを取るのに使用しているルーズリーフがそっと差し出される。
何だと思いながら目を落とすと―。

『鈴木さんが、今日飲み会しないか?だって…』

と書かれているのを目にして自然とため息が零れる。横目でちらりと津田を確認すると舌を出して笑っている。
恐らく、涼子は津田だけを誘ったつもりなのだ。
それをそ知らぬ顔して、津田は深岬にも回してきた。
涼子も内心穏やかじゃないだろうと思う。
いや、もしかしたら津田の行動を見越して、今日ならば深岬が絶対に参加しないだろうと踏んでこうやって今日という日にちを選んで聞いているのかもしれない。

深岬は、でかでかとノートに書いて返す。

『無理』

と。
そのルーズリーフいっぱいでかでかと書かれた文字を見て津田はくくっと笑った。
津田の笑う顔を見ながら、ふんっと勢いよく鼻から息を吐き出す。
そして、そのルーズリーフを津田に返すのではなく前にいるクラスメートに回す。
彼らは嬉々として賛同していた。
すぐに帰ってきた紙を津田に渡すと彼は、涼子に回すのではなくさらに書き加えて深岬に突き出してくる。
涼子に見えないように体で隠すようにしながら…。

『だよね…。俺もいかないっと』
『どーせあんたは、私が行かないからでしょ』

一応、隙間から見えるといけないと思って深岬は書いた傍から上から黒く塗りつぶす。

『その通り』

津田も同じように書いてはすぐに塗りつぶす。
少し涼子が可哀想かなと思いつつもまぁ、巻き添え食らって迷惑こうむってるわけだからいいかと言い聞かせた深岬だった。

休み時間になると同時に津田に食い下がっていた涼子だったが、無理と一蹴されていた。
代わりと言ってはなんだが津田の友人達は妙に嬉しそうな顔で涼子に約束を取り付けていた。
結局、後にひけない状態になったまま、涼子が本当は誘いたかった津田が不在のまま飲み会が開かれたようだった。

2008

0419
立ち直るまでに時間がかかった深岬だったが、一度エンジンがかかってしまえばそれまでの恥などどこへやら。
場の空気にものまれた所為もあるかもしれない。
場の空気に飲まれはしたものの、酒には飲まれてはいない。
元々が強いだけに相当の量を飲まなければ中々、簡単には潰れることはない。

何かにつけて乾杯を強要する集団から抜け出して隅っこで水を飲んでいると横に同じように腰を落ち着けてくるのは、麻美だった。
ほんのりと赤い顔をしているが、麻美も深岬に負けず劣らず酒には強い。
こちらも酔っ払ったら大変なことになるという意味では、深岬とさほど大差はないだろうが―。

「今日、彼氏は?」

誰が聞いているかわからないので久保田の名前は出さなかった。

「家で大人しくしてるっぽい…もうすぐ就活だからってなんか言ってたなぁ。早く抜けて来いとは言ってたけどね」
「やっぱり?」
「やっぱり。別に遠慮しないで好きなだけ行っていいとか言っておきながら、本当は嫌なんだってバレバレだっつーの」
「愛されてんじゃん」

他愛ない話を隅っこでしているとどすっと背後に重みがのしかかる。

「何々何の話ー?私も混ぜてよー」

と圧し掛かってくるのは、既に酔っ払いと貸した望だった。

「望…」
「なぁにぃ?」
「重い……」
「えぇーひどーい」
「いいからどきなさいっ」

無理やり背中に圧し掛かってくる望を引き剥がすと頬を膨らませた望と顔を付き合わせる。
望はどこか据わった目つきで深岬の傍にあったコップを掴むと傾ける。

「これ水じゃんっ!」

絡むのは立派な酔っ払いの証拠。

「あ、ちょっと飲みすぎたから」
「どこがー?顔めっちゃ普通じゃん」

酔っ払いの癖してなんて鋭いんだと思いながら相手をしていると今まで横に座っていた麻美が立ち上がる。
自然と深岬と望の視線が彼女に向く。

「深岬。ということで私は帰るねー」

立ち上がって手を振る麻美。

「あ、彼氏?」
「そんなとこー」

望の問いに頷くとそのまま出て行ってしまう麻美だった。
望が麻美に彼氏がいることは知ってるんだと思いながら麻美を見送る深岬だった。
麻美の姿が見えなくなるとはぁと溜息をつく声が聞こえてくる。
何だと思って深岬が怪訝な顔付きで溜息の元に目を向けるとそれは、望だった。

「いいなぁ。彼氏ー。あたしも欲しー。ねぇ、深岬ちゃんそう思わない」
「うん。いーよねー」

本心からそう思ったので、深岬は頷いた。
麻美を見ていて何故か強くそう思うようになった。

誰もいなくなったところをずっと見ている深岬だったが、急に顔を掴まれる。
驚いて目を瞬かせていると目の前には目の据わった真剣な表情をした望の顔がこれでもかというほど近くにある。

「な…何?」
「まさかっ!深岬ちゃんにも彼氏いたりしないよねっ!?」
「い、いるわけないでしょ!」

望の剣幕に圧倒されながらも頷く深岬に満足したのか、緩んだ笑顔を顔に浮べながら「あたしも~。友達ぃー」と言いながら抱きついてくる。
その拍子に深岬の体が倒れこむ。

「うっうわぁぁ」
「2人とも何やってんの?」

隅の方で抱きついているのは望が一方的にだったが、倒れこんでいる2人の姿は異様で望に潰されながらも怪訝な声でそう尋ねてくる声を聞いた。

「あたし達、彼氏いなくて寂しいもの同士なんですー」
「望ちゃん。その前に深岬ちゃんの上からどこうか?なんだかそのうちチアノーゼでも起こしそうだよ」

その言葉に、漸く望が深岬の上から退いてくれた。
助かったと重いながら体を起こす。

「あんた、私を窒息死させる気?」
「違うよぉ。ゴメーン。乾杯して仲直りしよ?」
「この酔っ払い」
「ひどい…まだ酔ってないもん」

だが、その姿は紛れもなく酔っ払いそのもの。
適度に流して自分の傍から追い払う深岬だった。
望を呼ぶ上級生の声もあったことから、すぐに彼女は深岬の傍から離れていった。
代わりに彼女が今まで座っていたところに腰を下ろしたのは、野坂だった。
彼が自分の横に腰を下ろすのを黙って視線で追いかけていた深岬だったが、どうも旅行の一件で多大な迷惑をかけたという自負があるだけに顔を合わせるのが忍びなかった。

「復活してるじゃん」

アルコールの所為で少し赤くなった顔で言う野坂に何のことを言われているのか即座に理解した深岬は曖昧な笑みを浮べた。

「まぁ、悩んでばかりもいられないんで…こればっかりは仕方ないですし…時間の無駄ってヤツですよ」

答える深岬の言葉を聞きながら、望が空にしていった水の入っていたコップの中に酒を注ぐ。
そして、深岬にコップを手渡しながら悪戯っぽく笑う。

「あん時のえらい落ち込みようから考えると進歩したじゃん。どうしたの?何かあったの?」

揶揄するような男の言葉に苦笑を浮べずにはいられなかった。
あったといえばあったというかなかったといえばなかったような気もする。

「まぁ、学科の友達とちょっとごたごたが…」
「若いねぇ」
「茶化さないでくださいよ。板ばさみなんですよ…今」
「コイバナ?」

にっと笑って聞いてくる野坂に頷く。
決して楽しい話ではないが。
他人の不幸は蜜とはよく言うが、まさにそれなのだろう。当事者の苦労も知らずにと思わずにはいられないが、自分が恐らく第三者だったら野坂と同じような反応をしたかもしれないと思うと責められない。

「よぉし、相談に乗ってあげよう」

わざとらしく言う相手に「ただの出刃亀根性でしょ」と言うと否定せずに頷く野坂だった。
深岬自身、助言は貰えなくても誰かに聞いてもらいたいと思う気持ちはあったので、今の状況を野坂に話した。


野坂は一度津田と面識があるだけに、深岬の話しているのが誰のことかすぐにわかったようだった。

「ね、もしかして…前、話に入ってきたあの子?」

そういえばとその時のことを思い出して深岬が頷くと「そりゃ、女の子は放っておかないでしょ」と妙に納得したように頷く野坂だった。
相談とは口にしながらもその話を酒の肴にして愉しんでいるだけの野坂だったが、深岬は聞いてもらえただけですっきりした。
全てを話を終わった後にぽつりと呟く。

「恋愛って面倒ですよね…」

ぼやくように零すのはこの頃深岬が感じていたことだ。
別に同意をして欲しいわけじゃない。
ただ、相手を好きなだけでは収まらない。
周囲を巻き込んで迷惑をかけていくそれは、ひどく性質が悪い。

「だから面白いんじゃないの?」

にっこり笑って答える野坂の顔をまじまじと見返す。
だがすぐに眉間に皺を寄せて言い返した。

「それは、野坂さんの恋愛が上手く言ってるから言える言葉じゃないですか」

少しひがみの入ったような言葉になってしまったが、深岬は訂正しなかった。

「そうかもねー」

野坂はと言えば、意味深な笑みを浮べるだけだった。

色々と大変だねぇと頭にぽんぽんっと触れる手に前にも感じたような安心感を感じる。
結局は、「飲んで忘れたらいいよ」というありがちな言葉にそんな感情もどこかへと消失してしまったのだが…。
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