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更新日記と小説(18禁)とたまに嘆き. 嫌いな方・興味のない方・間違っちゃった方はバックバック

2026

0616
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2008

0130

Vizard(18)




朝から早く目が覚めた。
何よりそれは、気持ちの現れだったかもしれない。

すっきりとした目覚め。
眩しいほどの朝日を身に受け、体を起こして、欠伸をしながら大きく伸びをする。

一ヶ月半ぶりくらいになる制服に腕を通して、ダイニングに向かう。
少し、否、少しどころではなく足が軽やかに動く。
すでに椅子に座って経済新聞に目を通しながら、コーヒーを飲んでいる父親に近づき、声をかける。

「お父様。おはようございます」
「ああ、おはよう、早いね」

新聞から視線をあげて綾ににこやかに笑いながら返す。
綾が椅子に座ると使用人の手によって朝食に運ばれてくる。

「いただきます」

と手を合わせて綺麗な箸使いで食事を口に運ぶ。

「綾」

父親の自分を呼ぶ声に顔を上げる。
父親の視線と綾の視線がぶつかる。
小首を傾げた綾に彼は、笑いかける。

「堺氏には、うまく言っておいてやるからな」

新聞を畳み、テーブルに置きながら言う。
綾は、顔いっぱいに笑みを浮かべる。それは、心のからの笑顔。
昨夜、父親が部屋に訪れた折に綾が父親に懇願したことを受けての言葉だった。

「ありがとう。お父様。嬉しい」

娘からの礼の言葉にまんざらでもなく嬉しそうな表情を浮かべ、鷹揚に頷くと椅子から立ち上がる。

「じゃあ、行って来るよ」
「いってらっしゃい」

父親の後を追って、使用人達が彼を見送るためにばたばたと部屋を出て行く。
その姿を見送った後、もう一度テーブルに視線を戻すと人知れず笑みを零した。



「お嬢様、お時間です」

朝食後ゆっくりとした時間を過ごしていた綾を宗司がむかえにくる。
いつもの時間の再来だった。

宗司の運転する車の後部座席で、はやる気持ちを学校に着くのをいまかいまかと待っていた。
バックミラー越しに綾のどこか浮ついた綾の様子を確認しつつ、釘をさすようなつもりで宗司が言う。

「一哉が何か気に障ることしましたら、遠慮なく言ってください。即座に、一哉を外しますから」

一哉の名を聞いて綾の表情が俄かに硬直する。

どくん。

と大きく心臓が脈打つ。
バックミラーに映る宗司の目を鏡越しに伺う。
何を考えているか読めない。

「…わかったわ…」

と伏せ目がちに綾は答えた。
そう時間が経たずに車は、学校の敷地内に入り、ぎっとギアの音をさせて止まった。
先に宗司が車から降りて綾が外に出るためにドアを開ける。
綾が車から降りるとそこには、久しぶりに目にする少年の姿がある。



「お嬢様。おはようございます」



いつものように優しく笑いかける顔。
線の細い、長身の体。

どくん。

胸が大きく高鳴るのを感じる。
車の中で宗司に言われた時以上に大きく…。
久しぶりの彼を見て、綾は言葉を返すのも忘れて見つめた。

「お嬢様」

怪訝な宗司の声に、はっとして慌てて宗司を振り返ると「ありがと…」とだけ笑って答えて、背を向けると歩き始める。
綾の後ろを一哉が兄に向けて一礼した後、追いかける。
去っていく綾と一哉の後ろ姿に疑わしい視線を向けていた宗司だった。
しばらく、そうしていた宗司だったが、やがて2人の姿が消えていった後、車の運転席に乗り込みエンジンをかけて綾の通う学校を後にした。



一方、校舎に入っていった綾と一哉はと言えば…。

「それでは、お嬢様。また…」

と綾に背を向けようとした一哉の腕を咄嗟に掴む。

「待って」

突然の自分以外の誰かに腕を掴まれる感触に目を細めて自分を掴む細い指先に目を落とした。
その後、自分を掴む相手の顔を見た。

いつものように笑みを張り付かせた一哉の顔。ただ、瞳だけが笑っていないことに綾は気づく。
はっと瞳を揺らがせて一哉を見返す。

「何でしょうか?お嬢様」

妙な威圧感を感じる。
不安をかき消すように綾は一哉の腕を掴む手に力を入れた。
綾の指の力が強くなったことに気づいた一哉だが、一瞥しただけで特に気にもとめなかった。
振り払うことは簡単だが、振り払おうにも人の目があるので、できなかった。
振り払いたいと思うのだが、乱暴に振り払うことは、今まで自分が作ってきた草壁 一哉という人間のそれとは異なる。
だから、何もしないのだ。

「聞きたいことがあるの」

緊張した面持ちで言う綾の顔をじっと伺う。
2つの瞳に見据えられて綾は、異様に緊張していた。

ごくり…。

唾を飲み込む。

どくどくと脈動が大きく聞こえると同時に体が熱く感じるのは気のせいか。

「聞きたいこと…ですか?」
「…そうよ」

綾の様子に流石に何かが違うと悟ったのか。

どうしたというのか…。

綾に目撃されていたことなど知らない一哉は、綾が何を聞いてくるかなんて全く想像さえできなかった。
わかるのは、綾の険しい表情から、とても人目のある場所で話をするような内容ではないというところか…。

「何でしょうか?」

わざとらしく綾に握られていない方の手に嵌められた腕時計で時間を確認する振りをする。

「もうすぐでホームルームが始まりますので、できれば、手短にお願いしたいのですが…」

という一哉の言葉に、綾ははっとしてそうだと思い出して、自分達に向けられる好奇の視線に気づく。
慌てて一哉の腕を掴む自分の手をぱっと離す。

「ご、ごめんなさい」

謝罪の言葉を口にする綾に一瞬だけ目を見開いた。
とてもじゃないが、今までの綾からは考えられない。
怪訝な表情で綾を見返す。

「お嬢様。どうされました?」
「そう…そうよね。じゃあ、後にするわ」

くるりと背を向けた綾に、一哉は咄嗟に声をかける。

「お嬢様。手短にすむお話でしたら…」

何の用だと問う一哉の声に顔だけを彼のほうに向ける。

「ううん。ちょっと長くなりそうだから、また行くわ」

そうだ。とても1分やそこらで終わりそうな話ではなかった。
一哉は、その答えに不満を感じないわけではないのだが、ふと笑みを深く刻むと「そうですか」と返事を返して綾に背を向けた。

綾は、自分から遠ざかって中等部の校舎へと向かって歩いていく少年の背中を追い続けた。
一度も綾を振り返ることなく歩いていく。
途中でクラスメートなのだろうか声を掛けられて、それに笑いながら答える一哉の姿が綾の視界に映る。
男子生徒、女子生徒分け隔てなく、いつもの柔和な表情を返す一哉を見て綾は知らず知らずのうちに唇をかみ締めた。
他人にそんな顔をしないで…。
誰にも笑いかけないで…。
話かけないで…。

私だけを見て…。
私のそばに居て…。

離れていかないで――。





それは、紛れも無い嫉妬。
その2文字がぴったりと当てはまる。そんな複雑な感情だった。

 

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2008

0129
裏アドレス請求のyuu様

メールありがとうございました。
明日の昼には、返信できるかと思います。
申し訳ございませんが、今しばらくお待ちください。




Salvationの表示形式を変えてみました。
修論終わったらもう一度他の話も含めて話の分割方法変える必要があるかもしれないと睨んでいます。
目下睨み中は、愛です。
3部から5部はまとめるべきかと思うのです…。
昨日、fondlingの話の区切り方とSalvationを変更しながらそんなことを考えていました。

Vizardとひとりにしないでは、過去編で今考えている話以外は増えることないだろうということで現行維持にしても問題ないかと放置ですが…。
今後も続く話は、何だか変な区切りになるなぁと思っちゃったんですよね。

そんなことやっているうちに各話のIndexページも変更したくなってしまいましてね…。
すっかり改装好きになってしまいました。
色んなテンプレサイトからお借りしてますが、もういっそのこと自分でテンプレ作るべきかと思ったりもして…。
凝り性はこれだから困る。
でも飽き性だから長くは続かないという。
最悪なパターンですね。

今、育成のページを見たら見事に気持ち悪い配色になってて一瞬固まりました。
直したい。直したいけどそんなことしてる時間がねぇ。
気持ち悪い。気持ち悪い。
ぎゃあって叫びそうになった。
何故だ…。
スタイルシートの問題か?
他のページはなんともないのに…。


2008

0129
UPしました。
裏です。

先生に論文見て貰っている間は、時間が出来たので突発的に書いてみました。
書き直す可能性大です。
のっけからやってます。暗いです。
やられちゃってます。
無理やり描写多い(予定)ので嫌いなヒトは見ないように―。
もうちょっとエロを強く出したいものです。

講座の続きは?という突っ込みはナシでよろしくお願いします。
一度頭の中がそっちに向いちゃうと戻すのが難しいというものです。


渡辺様
裏ページのアドレス送信いたしました。ご確認ください。

2008

0129

Vizard(17)



恋―。

それは、自分には焦がれても手にすることはできないと思っていた代物。
それには、自分の家が邪魔になるから。
最初から抱いてはいけないと決めていた。

だから、男はいつも自分にとって遊び道具。
振り回しこそすれ、間違っても引きづられてはダメ。
いつでも、そう言い聞かせて遊んできた。
男を相手にしてきた。





一度、認めてしまえば、後はいくらでも説明がつく。

何故、気になっていたのか―。

上級生とのキスシーンを目撃してショックを受けたのか。

自分とは段違いに大人の魅力に溢れた大人の女とホテルに入っていった一哉の姿を目にして動けないほどショックを受けたのか…。



どれも、恋という文字で簡単に説明がついてしまうから人の気持ちは不思議だ。



しかし、自覚したと同時に振り切らねばならないものだった。



傷が浅いうちに……。





しかし、気づいた時点で遅い。

気づかなければ…まだ、救いようがあったのかもしれない。

先が決まっているからと言って諦められるほど大人ではなかった。
元が、蝶よ花よと甘やかされて過ごしてきた彼女。母親が亡くなってからというものの、さらに彼女を取り巻く環境はそれに拍車をかけたものとして変化していった。
欲しいものは、綾が口にする前に全て彼女の目の前に並んだ。
手に入らないものは、ないと思ってた。

そんな綾が欲しいものが、すぐそこにあるのに我慢できるはずもない。
今までと同じようにそれは、自分の手にあるべきものなのだ。いや、するのだ。





子供の欲しがるものほど性質の悪いものはない。
なりふり構わないからだ――。





子供の行動に振り回される親ほど、冷静に客観視した時に情けなく惨めなのはない。子供への愛、故に見せるそれは微笑ましい。
しかし、その子供が16…いや、もうすぐ17といういい年した分別のある年だとそうはいかない。
失笑を買うようなものだ。

「綾はどうしたのかな?最近、部屋に閉じこもったままだが…」

という主人の声に一礼する。
聞かれても答えようがなかった。
かく言う自分も彼女が何を考えているのかさっぱり分からなかった。
ほとんど顔を合わせていない。

「お前でもわからない…か?」

背後を視線だけで振り返る当主にもう一度深く頭を下げる。

「申し訳ありません」
「いや。お前の所為じゃない…。堺氏の誘いも最近は断っているようだが?」

呆れたように大げさに息を吐き出す。
気にするなという主の声にぐっと体に力を入れる。

綾の気まぐれの処理をするのは、宗司の仕事に入っていた。
断りの言葉を相手に告げるのも、屋敷から追い返すのも、婚約者に素気無くされた男の不機嫌な言葉をぶつけられるのも自分の仕事。

「一方的に会いたくない…と仰っていまして」

と宗司が口にするとやれやれと言った様子で肩を竦めた。
煙草を取り出し口に銜えるとすっといつも父と一緒に、彼の護衛としてついている宗司の兄である弥一がすっと火を差し出した。
火がついた煙草をくゆらせながら、大きく息を吐き出す。

「あの年頃の娘の考えることはわからん…あれの母親がいたらもう少しは違ったんだろうがな…」

とぼそりと零した。
苦悩を滲ませたとような声音。

「まあ、いないものを求めたところで仕方ないがな」

その言葉に、返すものはいなかった。
ほとんど吸い終わっていない煙草を近くの華美な装飾の施された灰皿に押し付けると部屋を出て行く。

「旦那様。どちらへ…」
「綾のところだ。お前達はもう下がっていいぞ」
「では、失礼します」

宗司も弥一も頭を下げて部屋を出る当主を見送った。
主人の姿が消えた後、先に顔をあげた弥一が人を食ったような笑みを浮かべる。

「ありゃあ、あのボンボンに泣きつかれたか」

かかっと笑いながら言う兄を咎めるように睨みつける。

「おっと、そんな怖い顔して睨むなよ」

弟の視線に気づいて肩を竦めてみせながら、部屋を出て行った。
兄の背中を睨みつけていた宗司だった。





部屋の扉をコンコンと叩く音に綾は俯けていた顔をあげた。
ぱたぱたとスリッパの音をたてて扉に近寄ると綾が開ける前に、部屋の扉が開く。
顔を出した父親に、一瞬目を見開いた綾だったが、何となく嫌な予感を覚える。

「綾、ちょっといいかい」
「なぁに?お父様?」

やんわりとした口調で伺う父親だが、彼が引くことはないということを綾は知っている。

「何故、最近堺氏の誘いを断るんだい?」

ぴくりと綾の表情が強張る。
今まで綾と堺の関係には、口を閉ざしてきた父親からの言葉。

ついにきた…。

「綾?どうなんだ…?」

くっと唇をかみ締める。口を噤んだままの綾に咎めるような父親の声。

「綾」
「…だって、つまんないんだもん」

視線をそらしながら綾がそっくりそのまま言葉を再現するような顔つきでそっぽを向きながら答える。
傍から見たら小憎らしい顔そのものの綾の表情も親ばかフィルターのかかった男から見れば、可愛いものでしかない。
とはいえ、この点だけは我慢してもらわねばならない。
苦笑を浮かべつつ綾の肩に手を置き、諭すように言い聞かせる。

「綾…。お前と堺氏は……」
「わかってるわ。けど、これから嫌でも顔を突き合せなければならないのに、今から焦って顔を突き合わす必要ないでしょ?わざわざ貴重な時間を割いてまで会いたいと思うような人じゃないわ。ねぇ、お父様からも言って頂戴?お願い」
「何をだい?」
「時期がくるまで、あまり干渉してほしくないのよ」
「綾…けど、堺氏はお前との関係を思って」
「私のことを思うなら、放っておいて欲しいの。お願い」

目を潤ませて上目遣いにお願いをすれば、娘を可愛がる父親は娘の婚約者である男の言葉よりも娘の言葉を優先させるというもの。
分かっていての行動だった。
少し険しい顔をしたものの、すぐににこっと安心させるような笑みを浮かべた。
父親の表情をじっと伺っていた綾だったが、父親の表情の変化を読み取って心の中で笑みを浮かべた。

「わかった…。けど、わかってるね?高校を卒業するまでだよ?それまでは、あまり君に干渉しないように堺氏には言っておこう」
「ええ。ありがとう、お父様」

にこりと笑って返す娘に満足したように鷹揚に頷く。

「じゃあ、おやすみなさい。明日から学校なの。2学期始まるから」
「ああ、おやすみ」

父親が出て行き、かたんと音をたててしまった扉にもたれて息を吐き出す。



明日から2学期が始まる。
ようやく待ちに待った時間だった。
一哉に会うことができる。

期間にして、一ヶ月半という期間一度―いや、ホテルへと消えていく姿を一度だけ見たが、それ以外では会っていない。
何故学校内だけでしか会うことが適わないのか―。
今までの休みの期間、なぜ会わなくても平気だったのかわからない。
何度、父親に頼んでここへ呼んでもらおうかと思ったことか。
何度、宗司に聞こうかと思ったことか。

明日から、また会えると思うとそれだけで心が浮き上がりそうだった。

そして、一緒にいた女が誰なのか―。
知りたいと思った。

好きな相手のことを知りたいと思うのは、当然のこと――。
知りたい。会いたい。

 

2008

0128
裏ページのアドレス請求を下さった渡辺様。

明日の朝か昼にはメールを返信しますので、もうしばらくお待ちください。
宜しくお願い致します。


追記

海様

わざわざメール受け取りのご連絡ありがとうございます。
本当に申し訳ありません。
掲載していない話は、サイトに掲示するべきではないですね…。
2月中旬には、さくさくっと何話かUPしたいものです。
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