更新日記と小説(18禁)とたまに嘆き.
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2008
どこへ向かっているのか分からないまま津田の後を追いながら、色んなことが深岬の頭を駆け巡っていた。
涼子に連絡してきたのに何故、自分をこうして連れ出したのか…。
何故、あそこまでそっけない態度をとれるのか…。
涼子の前では彼女のことを“涼子ちゃん”と呼んでおきながら、彼女のいないところでは今までどおり“鈴木さん”と呼ぶのは何故か…。
そして、一番気になっていることは…。
何故にそんなに難しい顔をしているのか…。
言われるまでもなく途中からここへ向かっているということは気づいていた。
昨日に引き続き、何故か今日も津田の家の前に立っている。
「何でまたここに来る必要があるわけ?今日は、薬いらないわよ」
深岬の手首を掴んだまま、がちゃがちゃと音をたてて鍵を開ける津田に向かって言うが津田からの返答はなかった。
扉を開けて中に深岬を押し込む。
「入って」
「入ってってあんたが私の手掴んでるから入らなきゃしょうがないでしょ」
「適当に座ってて」
深岬が室内にあがると鍵を閉めて津田もあがってくる。
言われた通り、お洒落なローテーブルの前にちょこんと座ると津田も深岬の向かい側に腰をどっかりと下ろす。
何も言わずに深岬をじっと見つめる津田を上目遣いに見るといつものにこにことした笑顔ではなく、はっきりとした全てのパーツの配置が整った男の顔がある。
「何か怒ってる?」
「怒ってない。拗ねてる」
唇をへの字に曲げて憮然と言う津田は、どこからどうみても拗ねているというよりも怒っているという方が正しくみえる。
―どこがだよ。怒ってるじゃん…。
「何をそんなに怒ってるわけ?」
こういう津田は初めてでどうも慣れなくて落ち着かない。
顔の整った相手だけに迫力が増すというもの。
今すぐにでも退散したいのだが、相手が許してくれそうにもない。
「怒ってない」
「ああ、はいはい。何でそんなに拗ねてるわけ?」
どう見ても怒ってるようにしか見えないにの怒ってないと主張する津田に、深岬が面倒くさそうに言い直す。
―もう…どっちでもいいから早く理由を言え。
でなければ、解決しない。
恐らく自分をここに連れ出したのは、訳があるのだから。
まぁ、深岬にも容易に想像はつく…。
―昨日のことだろうな…。
「深岬ちゃん。ひどいよ」
「あ?何?ひどいって何が?」
急に詰られた深岬は顔をきょとんとさせて津田を見た。
そう言えばメールでもそんなことが書いてあったなと悠長にも思い出していると津田の声が聞こえてくるので慌てて視線を彼に戻す。
「何で俺のこと置いてったわけ?俺、気づかないほど馬鹿じゃない」
自分のことを呼ぶのもいつもの“僕”から“俺”に変わってるこのに気づく。
「何を?」
「鈴木さんが俺をどうしたいのか気づかないほど馬鹿じゃないって言ってるの」
まぁ、あれだけアピールされたら気づかないはずもないだろう。
何を隠そう自分も協力という協力をしたわけではないが、いらぬ火の粉を浴びたくなくてそれとなく手伝ったところはある。
昨日もそのうちの一つだ。
自分がいなければいかないと言った男を無理やり参加させた。
「分かってた?だったら…」
付き合ってあげれば?彼女もいないんでしょ…。
と続けようとした深岬だったが、皆まで言わせて貰えずに一蹴されてしまう。
「嫌だ」
低い声で言う津田に面食らったような顔をする。
「何その顔。俺にも選ぶ権利あるでしょ」
「何が不満なの?可愛いじゃない。いい子じゃない…」
眉間に皺を寄せていう津田に深岬はとんちんかんなことを聞いてしまう。
見た目で選ぶのはおかしいと分かっているのに―。
「どこがいい子?深岬ちゃんが俺と鈴木さんの間に挟まれてるの知ってる」
「知ってるならあの子を煽るようなことしないでよ」
その所為でいらぬ苦労を強いられているのだから深岬の主張は尤もだ。
「嫌だ。深岬ちゃんは俺の友達だもん」
「友達って言ったってねあの子には通じないの。今日だって散々牽制されたんだからね」
思い出しただけでも腹が立つ。
「友達としゃべって何が悪いのさ。ご飯に行って何が悪いの」
「あんたが今までの友達放ったらかして私にべったりなのが気に入らないんでしょ。私は、あの子じゃないから分からないわよ」
「今日、何言われた?」
「何であんたに言わなきゃならないの?」
「教えてよ」
「あのねぇ…今、その話は関係ないでしょ」
「ある」
「ない」
ちょっとした睨みあいが続く。
最初に口を開いたのは深岬だった。
「一体何が気に入らないわけ?」
「全部」
ぶすっとした表情で言う。
「あんたねぇ」
「深岬ちゃんが昨日俺を置いていったことも…」
「友達同士の飲み会でしょう?あんたの友達もいたじゃない」
深岬の呆れたような台詞に津田が答えることはなかった。
「深岬ちゃんのことを利用するあの女もあの女に協力してる深岬ちゃんも…み、」
バンッ
津田の言葉は、深岬が力任せにローテーブルを叩いたことで遮られた。
激しい音にびっくりしたように深岬を見返す。
机の上に叩きつけた手のひらがじんじんと痺れを訴えていたがそんなことどうでもいい。
深岬は対峙する相手を睨みつける。
「あんた人の友達をあんな女呼ばわりするってどういうつもり!?」
怒声に最初は、目を瞬かせていた津田だったが、負けじと応戦する。
「何で自分のことを利用する人間を友達なんて言えるんだよ!」
「確かにそうよ。あの子はあんたに近づきたいために私を利用してるわよ。今日の授業のノートだってそう。何が悪いの?流石に、睨まれたりするのはゴメンだけどね。好きな人に近づきたいって気持ちわかるもの!相手の傍に自分以外の人間がいたら嫉妬だってするわよっ!」
「俺の上辺だけ見て好きだなんて言ってくるようなヤツのことを何でそんな風に庇うわけっ!?そんなヤツから向けられる行為なんて気持ち悪いだけだ。いらない。くそくらえだよっ」
まるで深岬の怒声に呼応するように津田も声を張り上げる。
顔に似合わない汚い言葉に深岬が驚きを隠せない。
「…っ。別に庇ってるわけじゃないわよっ」
「庇ってる」
「庇ってない。まぁ、あんたの言うことも一理あるわよ。あの子は、見た目であんたを落とすって決めたみたいだし?そういうのもありじゃないの?」
このまま感情に任せて言い合いを続けても一向に収束しない。
深岬は、声を抑えた。
「俺は嫌なんだよ」
「視点変えてみればいいじゃない。付き合っていくうちに人となりがわかるってものでしょ」
「俺は友達を利用するような人間好きじゃない。そんなことするヤツ友達なんて呼んじゃいけない。無言で睨み聞かせるような真似して…自分さえよければいいって考え虫唾が走る」
涼子のことを言っているのはわかる。
深岬にだって利用されているのは分かっている。
津田の言い分から取り合えず、この先津田が涼子を良い目で見ることはないだろうということだけはわかった深岬だった。
涼子に連絡してきたのに何故、自分をこうして連れ出したのか…。
何故、あそこまでそっけない態度をとれるのか…。
涼子の前では彼女のことを“涼子ちゃん”と呼んでおきながら、彼女のいないところでは今までどおり“鈴木さん”と呼ぶのは何故か…。
そして、一番気になっていることは…。
何故にそんなに難しい顔をしているのか…。
言われるまでもなく途中からここへ向かっているということは気づいていた。
昨日に引き続き、何故か今日も津田の家の前に立っている。
「何でまたここに来る必要があるわけ?今日は、薬いらないわよ」
深岬の手首を掴んだまま、がちゃがちゃと音をたてて鍵を開ける津田に向かって言うが津田からの返答はなかった。
扉を開けて中に深岬を押し込む。
「入って」
「入ってってあんたが私の手掴んでるから入らなきゃしょうがないでしょ」
「適当に座ってて」
深岬が室内にあがると鍵を閉めて津田もあがってくる。
言われた通り、お洒落なローテーブルの前にちょこんと座ると津田も深岬の向かい側に腰をどっかりと下ろす。
何も言わずに深岬をじっと見つめる津田を上目遣いに見るといつものにこにことした笑顔ではなく、はっきりとした全てのパーツの配置が整った男の顔がある。
「何か怒ってる?」
「怒ってない。拗ねてる」
唇をへの字に曲げて憮然と言う津田は、どこからどうみても拗ねているというよりも怒っているという方が正しくみえる。
―どこがだよ。怒ってるじゃん…。
「何をそんなに怒ってるわけ?」
こういう津田は初めてでどうも慣れなくて落ち着かない。
顔の整った相手だけに迫力が増すというもの。
今すぐにでも退散したいのだが、相手が許してくれそうにもない。
「怒ってない」
「ああ、はいはい。何でそんなに拗ねてるわけ?」
どう見ても怒ってるようにしか見えないにの怒ってないと主張する津田に、深岬が面倒くさそうに言い直す。
―もう…どっちでもいいから早く理由を言え。
でなければ、解決しない。
恐らく自分をここに連れ出したのは、訳があるのだから。
まぁ、深岬にも容易に想像はつく…。
―昨日のことだろうな…。
「深岬ちゃん。ひどいよ」
「あ?何?ひどいって何が?」
急に詰られた深岬は顔をきょとんとさせて津田を見た。
そう言えばメールでもそんなことが書いてあったなと悠長にも思い出していると津田の声が聞こえてくるので慌てて視線を彼に戻す。
「何で俺のこと置いてったわけ?俺、気づかないほど馬鹿じゃない」
自分のことを呼ぶのもいつもの“僕”から“俺”に変わってるこのに気づく。
「何を?」
「鈴木さんが俺をどうしたいのか気づかないほど馬鹿じゃないって言ってるの」
まぁ、あれだけアピールされたら気づかないはずもないだろう。
何を隠そう自分も協力という協力をしたわけではないが、いらぬ火の粉を浴びたくなくてそれとなく手伝ったところはある。
昨日もそのうちの一つだ。
自分がいなければいかないと言った男を無理やり参加させた。
「分かってた?だったら…」
付き合ってあげれば?彼女もいないんでしょ…。
と続けようとした深岬だったが、皆まで言わせて貰えずに一蹴されてしまう。
「嫌だ」
低い声で言う津田に面食らったような顔をする。
「何その顔。俺にも選ぶ権利あるでしょ」
「何が不満なの?可愛いじゃない。いい子じゃない…」
眉間に皺を寄せていう津田に深岬はとんちんかんなことを聞いてしまう。
見た目で選ぶのはおかしいと分かっているのに―。
「どこがいい子?深岬ちゃんが俺と鈴木さんの間に挟まれてるの知ってる」
「知ってるならあの子を煽るようなことしないでよ」
その所為でいらぬ苦労を強いられているのだから深岬の主張は尤もだ。
「嫌だ。深岬ちゃんは俺の友達だもん」
「友達って言ったってねあの子には通じないの。今日だって散々牽制されたんだからね」
思い出しただけでも腹が立つ。
「友達としゃべって何が悪いのさ。ご飯に行って何が悪いの」
「あんたが今までの友達放ったらかして私にべったりなのが気に入らないんでしょ。私は、あの子じゃないから分からないわよ」
「今日、何言われた?」
「何であんたに言わなきゃならないの?」
「教えてよ」
「あのねぇ…今、その話は関係ないでしょ」
「ある」
「ない」
ちょっとした睨みあいが続く。
最初に口を開いたのは深岬だった。
「一体何が気に入らないわけ?」
「全部」
ぶすっとした表情で言う。
「あんたねぇ」
「深岬ちゃんが昨日俺を置いていったことも…」
「友達同士の飲み会でしょう?あんたの友達もいたじゃない」
深岬の呆れたような台詞に津田が答えることはなかった。
「深岬ちゃんのことを利用するあの女もあの女に協力してる深岬ちゃんも…み、」
バンッ
津田の言葉は、深岬が力任せにローテーブルを叩いたことで遮られた。
激しい音にびっくりしたように深岬を見返す。
机の上に叩きつけた手のひらがじんじんと痺れを訴えていたがそんなことどうでもいい。
深岬は対峙する相手を睨みつける。
「あんた人の友達をあんな女呼ばわりするってどういうつもり!?」
怒声に最初は、目を瞬かせていた津田だったが、負けじと応戦する。
「何で自分のことを利用する人間を友達なんて言えるんだよ!」
「確かにそうよ。あの子はあんたに近づきたいために私を利用してるわよ。今日の授業のノートだってそう。何が悪いの?流石に、睨まれたりするのはゴメンだけどね。好きな人に近づきたいって気持ちわかるもの!相手の傍に自分以外の人間がいたら嫉妬だってするわよっ!」
「俺の上辺だけ見て好きだなんて言ってくるようなヤツのことを何でそんな風に庇うわけっ!?そんなヤツから向けられる行為なんて気持ち悪いだけだ。いらない。くそくらえだよっ」
まるで深岬の怒声に呼応するように津田も声を張り上げる。
顔に似合わない汚い言葉に深岬が驚きを隠せない。
「…っ。別に庇ってるわけじゃないわよっ」
「庇ってる」
「庇ってない。まぁ、あんたの言うことも一理あるわよ。あの子は、見た目であんたを落とすって決めたみたいだし?そういうのもありじゃないの?」
このまま感情に任せて言い合いを続けても一向に収束しない。
深岬は、声を抑えた。
「俺は嫌なんだよ」
「視点変えてみればいいじゃない。付き合っていくうちに人となりがわかるってものでしょ」
「俺は友達を利用するような人間好きじゃない。そんなことするヤツ友達なんて呼んじゃいけない。無言で睨み聞かせるような真似して…自分さえよければいいって考え虫唾が走る」
涼子のことを言っているのはわかる。
深岬にだって利用されているのは分かっている。
津田の言い分から取り合えず、この先津田が涼子を良い目で見ることはないだろうということだけはわかった深岬だった。
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