忍者ブログ
更新日記と小説(18禁)とたまに嘆き. 嫌いな方・興味のない方・間違っちゃった方はバックバック

2026

0708
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2007

1028
嫌だと思いつつも順番の回ってきた深岬は、ビールケースの上に立つと覚悟を決める。
腹の底から声を出す。
少しでも小さな声を出そうものなら、それだけで一気飲みのネタになりそうだった。

「おす!体育会系バドミントン部所属!工学部電気工学科1年進藤 深岬と申します!」

前に倣えというような感じで先に自己紹介が終わった新入生達と同じように自己紹介を繰り返すと前に陣取って自己紹介用の酒の準備をしていた坂上と小島がアルコールで赤くなった顔でにっと笑い、「出身は~?」などと聞いてくる。
その意図はわかっていたので、雪子と同じ中学校だったということを言えば、雪子と深岬の2人にコールが掛かる。
雪子達に混ざって飲み会に参加していた深岬に遠慮などというものは、坂上も小島もしない。
確りと飲まされた後、仕返しとばかりに「尊敬する先輩は皆さんです」という返しをして、上級生全員に飲ませるあたりは、まだちゃっかりしているかもしれない。
最後に、「以後、よろしくお願い致します」と言って手にしていたコップを傾けると一気に胃の中に液体を流し込む。
味など感じるものではないとこの数週間で学んだ。
自分の番が終わると何だかそれだけで、疲れてくるようだった。

自分の番が終わっても他の新入生の自己紹介が続く。
一通り終わったかと思っても、まだ更にそこから院に入学した者や、3月に卒業したばっかりで遊びにきていた社会人の自己紹介。
果ては、次期主将、副主将と何かとかこつけて続いていき、飲み会の雰囲気はエスカレートしていく。
ひどい…。その一言に尽きる。
自己紹介がひと段落しても、入れ替わり立ち替わり表れる上級生の乾杯攻撃に辟易しながらも応対し続けた深岬だった。
一次会が終わる頃には、相当酔っ払っている者もいたし、今にも寝ていきそうな者もいる。
飲み会の雰囲気に圧倒されて、若干困ったような顔をしている新入生の姿もあった。
逆にすっかりなじんでいる姿も多く見られた。
電車の時間があるからと帰る者もいたが、勿論深岬は帰れるわけもなく。
始まる前から荷物を雪子の家に預けた時点で帰る気はゼロと言った方が、正しいだろう。
少し人数の減った団体で、二次会の会場となるカラオケに向かう。
カラオケも基本的に変わりはなかった。
歌を歌うのに熱中する人間もいれば、酒を飲む事に夢中の人間もいる。
2時間ほどその場所で過ごして、解散となったのだが、そこで大人しく帰るような集団ではない。
家に帰るものもいれば、次どこに行くかと話をしているものもいる。
深岬はと言えば、泊めてもらう先が雪子の家だったので、必然的に雪子と行動を共にすることになる。

「雪子ん家で3次会するぞー」

と言って歩き出した集団の中に深岬はいた。
会場が泊めてもらうはずの家なのだから仕方ない。
10人くらいの団体で移動する。
そこで別段酒の買い足しをする必要がないのだから不思議なものだ。
勝手知ったるなんとやらで雪子の家の中を闊歩する姿は、ここで相当の飲み会が開かれているということを示している。
新入生では、深岬と望の姿があり、上級生は雪子の家でよく飲んでいる者達プラス何人かと言ったところか。
手際よくコップや氷を並べていく雪子に、酒の入ったボトルを持ち出して人数分の酒を作りだす坂上の姿。

「…っし、乾杯ー」

という声にあわせて先ほどまでの居酒屋での1次会、2次会のカラオケのような激しさはないが、次々にコップを空にしていく姿にどれだけザルなのかと思わずにはいられない深岬だった。
この日、最後まで付き合わされた深岬が翌日、2日酔いに苦しんだことは言うまでもない。

その翌日も朝から、飯行くぞと連れ出された深岬だったが、勿論気持ち悪さと格闘する彼女にまともな食事などできるわけがなかった。
そんな深岬の姿を見て、はるかに深岬を上回る量で飲んでいた坂上は、その姿を笑い飛ばし雪子に頭を叩かれていた。



新歓を機にして、練習に参加する人数が格段に増えた。
授業の都合などもあり、毎回の練習人数はばらばらだったが増えたことは確実だった。
その中でも注目を集めているのは、初心者ばかりの学年にあって経験者の深岬や麻美であった。

「今度の交流戦。深岬ちゃん行く?」
「行くけど…麻美ちゃんは」

麻美とペアを組んで練習していると麻美から尋ねられ、きょとんとしたように麻美の顔を見返す。

「さっきね、久保田さんと話をしてて、一年生用にいくつかエントリーしてあるんだって、それで出ないかって?」
「久保田さんが?」

別の深岬達とは少し離れたコートで練習している久保田に視線を向ける。
久保田を見ながら、深岬の中で疑問が湧く。

「シングルス?ダブルス?でも、ペア組めるほど練習してないよね」

ダブルスなど即席で組むようなものでもないだろうと思った。

「両方一応あるみたい。別に他の大学との交流戦だから、ほんとお遊びみたいなものだし、様子見程度で組んでも面白いみたいなこと言ってたけど?」

麻美から返ってきた答えにそんなものなのかと思いつつ、わかったということを示すように一回頷いた。

「そうなんだ。え、でも一年生って誰が行くの?どっちかでしょ?」
「何か、見学だけって子ならいっぱい。ほら、やっぱり初心者の子が多いじゃんね。だから今回はあんまり出たくないって子が多いみたいだから、出たかったらどっちもOKらしいけど?」
「まぁ、そりゃそっか」
「出る?」
「ん、まぁ折角だし、出れるなら出ようかな」

とあまり気乗らない様子の深岬だったが、折角あるならとりあえず出てみるかと曖昧な返事をした。
すると麻美は、目を輝かせたように深岬の手を掴んでくる。

「あ、じゃあ、ダブルス組もうよ」

別に深岬に断る理由もなかったので、頷く。

「もちろんシングルスも出るよね?じゃ!私、久保田さんに言ってくる」

と今度は深岬の返事を聞くことなく一方的に言うと一目散に駆けて久保田のところによっていく。
何であんなにやる気が出てくるのか。まるで自分とは全然違うなぁと麻美の後ろ姿を見ながら疑問を感じつつも、なんだかんだで毎回のように練習に参加している自分も似たようなものかと思った深岬だった。

ただ、一年以上のブランクのある自分に少し不安感に似たものを抱いていたのだが、麻美の言葉通り、本当にお遊びのような試合に直ぐにそれが杞憂であると気づくのだった。
PR

2007

1027
深岬が練習に初参加した日に、深岬の新歓と称して大学近辺の安い居酒屋で開かれた飲み会も惨憺たるものであったが、今、自分の目に映るものは何だろうと深岬は思った。



迎えに来たバスに乗るように促され、一次会の会場となっている居酒屋に入る。
指示されるままにくじを引かされてその場に座る。
上級生の間に新入生が挟まれるような席順になっているのは、新入生と上級生の交流が図れるようにと配慮した結果。
今年に限っては、新入生が多いせいか、たまに新入生同士が横になる席も見受けられるがそれは、致し方ないことだろう。
深岬は、練習に参加していることも手伝ってか同じテーブルに同席する上級生はほとんど顔見知り程度だったので、少しほっとしながら会が始まる時間がくるのを待つ。

「しっかし、今年の一年は多いね」

深岬の左隣に座っていたのは、雪子、小島、坂上達と同じ学年の井川 理恵だった。
あまり練習に参加しておらず、深岬は今まで2、3回程度しか顔を合わせたことがなかったが、雪子と仲がいいことも手伝って普通に喋れる程度にはなっていた。
深岬の前には、先日坂上達と一緒に昼食を食べに行った野坂の姿がある。飄々としたような顔をしながら、理恵の言葉に相槌をうつ。

「ほんとだなー。俺、深岬ちゃんや望ちゃんくらいしかわかんねぇや」
「あれ、センパイ知ってるんですか?」

驚いたような顔をして野坂の顔を見返した理恵に野坂は笑いながら、この前一緒にご飯行ったもんねーと深岬に同意を求めてくる。
深岬は肯定しながら理恵の顔を見る。

「坂上さんと小島さんにご飯連れてってもらったんです」
「そうそう。俺が福田さんと慶子の3人で一緒に歩いてたらばったり道端であって、その後は便乗しちゃったの」

「あのー、そろそろ始めたいので、グラスにビールの準備してもらっていいですか?」

理恵が野坂と深岬どちらにかは分からないが、何かを言おうとして口を開きかけた時、先ほど野坂の口からも上がっていたが、立ち上がっていた慶子が同じ空間にいる全員に届くような大きな声で言う。
一瞬シーンと静まりかえった後、机に均等に並べられたビール瓶を手にした野坂が深岬に突き出してくる。
深岬は上級生にそんなことさせるのは…と思ってビールをコップに注いでもらうためにコップを突き出すのではなく、野坂から瓶ごと受け取ろうとしたが、野坂とそして理恵にも制されてしまう。

「今日は、新入生が主役だから」

と言われてしまえば立つ瀬はない。
ありがとうございますとコップを差し出してビールを注いでもらう。
少しでいいですと遠慮しようとした深岬だったが、どこから聞いてきたのか―恐らく情報源は雪子、坂上、小島のうちの誰かだろうだ、飲めるから遠慮はいらないと理恵が野坂に告げたことによってコップなみなみに注がれてしまう。
うわぁと心の中で思いながらも、礼を言ってコップを置く。
野坂はその後、理恵のコップにも同じようにビールを注ぐと野坂が手にしていた瓶を理恵が取り上げて野坂に酌をする。
そして、丁度ころあいを見計らったかのように慶子の声がかかる。

「全員揃ったようなので、主将の久保田くんから挨拶を」
「あ…。主将の久保田です…。今日は、バド部の新歓に来てくれてありがとうございます。もう入部を決めて練習に参加してくれてる子や、まだ迷ってる子もいると思いますが是非、これから皆で楽しく部活をやっていきましょう。今日は上級生と少しでも交流を深めてバド部を知ってくれたらと思います。それでは、乾杯」

慶子に促されて立ち上がった主将の久保田という男が、挨拶の言葉を一通り述べると各テーブルで乾杯という声があがり、グラスとグラスをぶつけあう音がしてくる。
小さなビールグラスでは、大量に酒を消費している彼らには物足りないのか、それともそれが普通なのか、一杯目は一気に飲み干し、その後すぐに2杯目を注ぎあっている。
新入生の中には、勝手がわからずに戸惑っている様子の子達もいるし、やけに場慣れしている子もいたりして中々面白い。
すでに何回か強制的に飲み会に参加させられてきた深岬は、もちろん場慣れしている人間の1人に数えられるだろう。
上級生同様に一気にグラスを空け、即座に2杯目が注がれる。
それでも、まだビール片手に目の前に並べられた食事に手を伸ばす程度で飲み会としては、今まで深岬が参加してきたものに比べたら可愛いものだと思えた。
だから、深岬も最初は、数人で集まって開くような飲み会とは異なり、部活全体での飲み会とはこんなものなのかと思っていたのだが、その考えは長くは続かなかった。

乾杯の挨拶から約30分が経過しようという頃か。
料理に手を伸ばしながら、近くの上級生と雑談していた深岬だったが、突如部屋の中央の前にビールケースがひっくり返して置かれたのを見て目を丸くした。
一体、何が始まるのだろうと――。
まるで、それは安いステージのようで、答えを求めるように横に座る理恵の顔を見た深岬に、理恵は「見てたらわかるよ~」なんてアルコールの所為で俄かに赤くなった顔で答えるだけ。
そして、すぐに前に出てきたのは、主将として一番はじめに挨拶をしていた久保田だった。

「新入生にこれから自己紹介をしてもらいたいと思います。その前に主将から手本を…」

という慶子の言葉に、久保田がビールケースの上に瓶ビールを持って立つ。
手に持たれた瓶ビールに深岬の頭にあまり考えたくないことが浮かぶ。

「おすっ!体育会系バドミントン部所属!人文学部国際文化学科3年久保田 宏と申します!尊敬する先輩は福田先輩でっす!!」

隣の部屋にまで聞こえるのではないかという大きな声を張り上げた久保田の姿に新入生は呆気に取られて、上級生は楽しそうに笑いながら、言葉の区切りのところで合の手のように声をあげる。
名前があがった福田に視線が集中し、福田コールが上級生を中心にあがる。
照れたように笑いながら、ビールの注がれたコップを持って立ち上がると一気に煽る。
福田がもう一度座るのを確認すると久保田は、最後に一際大きな声を張り上げて「以後よろしくお願いいたします!!」と言った後、手にした瓶ビールを一気飲みする。
手拍子交じりのコールと新入生の数人の明らかに引いた視線が久保田に集中する。

「じゃあ、一年生順番に前に出てお願いします」

と言われて順に前に出て自己紹介をさせられる深岬をはじめとする一年生。
深岬の順番は、丁度真ん中と言ったところ。
さすがに久保田のように瓶ビールで一気飲みをするような破格な新入生などはいなかったが、上級生からまだ一度も会ったことのない先輩の名前を言うように言われて戸惑いながら言われた人物の名を口にする者もいれば、自分から率先して言う者もあり、また、途中で噛んだりしようものなら粗相といわれて手にしていたコップに注がれていたものを一気させられた上にもう一度最初からやり直しであったりとか、上級生と学科が一緒であったり、出身の県や学校が一緒ならばその上級生と一緒に乾杯をする。
一応、飲めるか飲めないかの配慮はしているようであったが、新入生はわけもわからず雰囲気に呑まれている状態といった方が正しいだろう。
深岬もまた然りだった。

2007

1026
Salvation サイトの方に5-10話移植しました。
良かったらどうぞ…。

最近寒くなってきたせいか布団から出れません。
そして、予定より寝すぎて後悔してます。
くそっ。3時間のつもりが6時間寝ちまったよ…。

今日から2、3日忙しくなるのでBLOGでの更新になります。
SalvationともしかしたらVizardです。

あまり人気のない話のようですので、こそっと拍手の話追加しておきました。
この拍手も短めでして…。あんまり意味のない部分ですが……。

2007

1026
10月26日

7:20
>旅。面白いです!!

拍手&コメントありがとうございます。
まだ始まったとは言えないような話にありがとうございます。
途中で期待を裏切らないかが凄く不安です。
この話、私の中で今15章分くらいのネタがあるんです…。(1つのネタを何章かにわけてという部分もありますが)
一章自体は短いんですが、だらだらと続いていく感じで…。
取り合えず長いんです。
そして、他の国の話へと派生していくのでさらにプラスαです。

3章を今書いている途中なんですけどね…どうも長くなりそうなので、それも区切ろうかと今考えていたりと…まぁ、いろいろと妄想が…駄々漏れ状態です。
一時期私の脳内だけで終わらせるかということも考えましたが…アンケートで投票してくれる方やこうやってコメントで伝えてくださる方がいらっしゃるので、形にはしたいと思います。
間を置けばおくだけ入れたいエピソードが増えるという悪循環ですが…。

今のところの更新予定では、2章を12月ごろにUPしたいと思います。
3章は全て書き終わってないので…一番後回しで3月くらいになるかと…。お待たせしてすみません。
それまでは、他のお話でどうか我慢してください。
一応、3月中ごろまでは毎日更新は予定してますので…。

そのうち旅に関してサイトの方にアンケート出すかと思います。
杏梨のお相手探しに…。
もう少し登場人物増えてからですが…。
いや、候補は立ててあるんですけど、読んでくれてる方からしたら誰がいいのかと気になるもので…。
そのときはまた遊んでやってください。

2007

1026
私が日参しているサイト様、どこもハロウィン一色です。
うちも何かやるかと思いつつ…考えてみますが…、考え始めたところでちょっと待てと…。
お前にそんな時間あるのかとリアル生活の予定と照らし合わせてみたところ……。
そんな時間。

ねぇよ!!

Trick or treat!なんていってる時間ねぇよ。Please give me a 寝る時間!!です。切実に…。
ということでお流れ~。
通常運営でいきます。季節はずれはこのサイトの常識です。
実験の合間に大人しく檻の構想をしていましたが、結末が思いつかず途中で断念。やっぱり放置プレイ。
どうもこじれるだけこじれてうまくまとまらない。
結局放置プレイ。
なので、檻は断念して、南の構想してました。
考えてたものを繋げて流れがやっと出来上がり、後は書くだけですが…恐らくきちんとかけるのは、4月以降な気がしてはぁっとなっていました。
だって、その前にいVizard(特にこっち)やらSalvationやらを片付けないとね…。いい加減。後、旅も少し進めないといつまで経っても書きたいところまで辿りつきゃしない。
焦らされるのって待ってる方には耐えられませんよね!?
なので、そっちを片付けてからと考えてます。

全く関係ないですけど、本日は育成 折角取っておいたのにUPしました。
切れてます。
カレンダー
06 2026/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
[02/18 誤字報告]
[02/16 MN]
[04/14 sega]
[01/27 海]
[06/27 けー]
最新記事
(12/31)
(09/25)
(06/28)
(03/01)
(02/24)
最新TB
プロフィール
HN:
HP:
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
最古記事
(01/01)
(01/01)
(02/10)
(02/10)
(02/11)
忍者ブログ [PR]
* Template by TMP