「あの…。ちょっと、気になることが…」
言い難そうな顔でそう口にした伊達の言葉に一哉は、眉一つ動かすことなく耳を傾けた。
反応できなかったのではない。しなかっただけだ。
相手の出方を図っているという方が正しいかもしれない。
伊達から聞かされた内容は、一哉にとってみればさして驚くようなことでもなかった。
既に、知っていたことを聞かされても驚けという方が無理な話ではないだろうか。
一哉にとって詰まらないことを聞かされただけの時間であり、そのまま反応を求める相手に反応を返すことなく、捨て置くことも簡単だったが、一度だけ笑ってみせた。
呆けた顔をしたままの相手に一言。
「殊の外、間抜けじゃなくて良かった」
その言葉の真意は、何か―。
伊達が神妙な面持ちで口にした名前は、既に一哉の与り知るところだ。
その男と伊達の関係も把握済みだ。
とはいえ、2人の関係は一哉にとっても驚くべきことだった―。
まさか、自分自身が雇うのを決めた男が、何の狙いがあってか怜迩をつけている男が知人どころではなく、親しい間柄だったとは思いもよらなかった。
まさに、偶然の一致。それだけなのだ。
一哉が、最初に不審に思ったタイミングは、伊達のものと全く同じだった。
怜迩を通わせている学校には、怜迩の他にも資産家の子供が通う学校だけに、登下校時に自分と同じような存在がちらほら拝見することができたのだが、伊達が山崎の姿を見つけ、怪訝に思いながら声をかけたその日、一哉は遠目に伊達と山崎が話しをする姿を見て目を細めた。
全てとは言わないが、一哉は登下校時に学校前に現れる部外者の顔はほとんど把握していた。
その中で伊達と少しだけだが、会話を交わした男は初めて見る顔だった。
男は、伊達と2、3言だけ交わした後にすぐにどこかへと姿を消した。
それが答えだった。
学校に関係のあるものがこの場にいたのならば、すぐに姿を消すなどとはしない筈だ。
学校に通う子供を迎えに来たのなら、子供が出てくるまで待っているはずだ。
また、学校関係者に用があるならばこんなところで立ち止まっていることなく、中へと入っていけばいいだけの話だ。
中に入ることもせず、また、これから出てくる子供を待つわけでもなく、慌しく去っていく男からは、怪しさと不審しか抱かなかった。
体のどこかで警鐘が鳴るのを感じた一哉は、すぐさま行動に移した。
その日のうちに男の身元は割れた。
伊達と男の関係も―。
ただ、何故この場にいたのか狙いは分からなかった。
狙いは怜迩なのか―。
それとも別の何かか―。
時間の経過とともに、一哉の危惧は大きくなっていき、彼に危機感をもたらした。
偶然とはいえ、男と言葉を交わしていた伊達にも疑いの目が向き始めたのは自然なことだろう。
一哉が自分のネットワークを使って男―山崎のことを調べさせたは、いいのだが、一向に尻尾を出さないというか、相手も同業者だ。簡単に尻尾を掴ませるようなヘマもしない。
時間が経過しても、一哉が知ることができたのは、どうやら山崎の狙いが怜迩であるということ。
そして、伊達と何やら親しい間柄であるということだけだった。また、伊達についても図りかねていた―。
男の存在に気づいていながら、一哉に報告してきたのは、遅すぎるくらいだったことも一哉の疑心暗鬼に拍車をかけていた。
時間を浪費しただけで、大した情報も得ることができずに一哉は痺れを切らした。
空白の時間を作った。
態と怜迩が、1人になる時間をお膳立てしてやったのだ。
その日、突如として寄り道をするように命じた一哉に伊達が怪訝な顔つきでまた、不満げな様相をしているのを気づいてはいたが、敢えて、そうさせた。
いくら相手の出方を見るためとはいえ、怜迩を1人にすることはそのまま彼の危険に直結する。
恐らく、綾が知ったら怒り狂ったかもしれない。
あぶりだすためとは言え、みすみす危険に晒すなどとは、仮に綾が知ったとしたら怒り心頭だろう。
当初、半ば思いつきだけで怜迩が1人になる時間を作った一哉だったが、それに素直に相手がかかってくれるとは思ってもみなかった。
しかし、相手は通常であれば、一哉と伊達が一緒にいるはずの怜迩の側に誰もいないという千載一遇のチャンスに飛びついた。
伊達の運転する車で、到着した頃には、既に怜迩が出てきてもいい時間だったのだが、そこに怜迩の姿はなかった。
苛立たしげな様子で、車から降りた伊達を横目に一哉は、伊達とは違う方向に目を向けた。
ここにいなければ、怜迩がいる場所とすれば校内にまだ残っているか或いは、既に校外に出ているかのどちらかだ。
伊達が、校内にいる関係者に怜迩の居場所を聞こうとするのならば、自分は逆を気にして然るべきだ。
助手席の窓から車の背後を見ると小さな物陰を見た。
直感的に何かを感じた一哉は、衝動的に飛び出した。
乱暴にドアを閉めると後方を確認した。
間違える筈もなかった。すぐに道路に飛び出そうとしている後姿が怜迩だと分かった。
何故、道路の真ん中にいるのだという疑問が浮かびあがってくる前に、道路の向こう側に転がったサッカーボールの存在に気づいて状況を把握した。
そして、前方から近寄ってくる車に気づき、体に緊張感が走る。
「戻れ!」
一哉は、前方に向かって進んでいた伊達の背中を呼び止めた。
呆けた顔をして、自分を見ている伊達に向かって間髪入れずに声を張り上げた。
「ぼけっとするなっ!!」
伊達に背を向けると先に一哉は走りだした。
すぐに背後から、追いかけてきたと感じた男は、すぐに横を風が通りすぎるとともに、体が小さな子供を抱いて地面を転がった。
直後に己の目の前を急ブレーキを効かせたために盛大な音を鳴らして車が通り過ぎていき、数メートル先で止まった。
辺りには、タイヤとアスファルトの摩擦によってタイヤのゴムか、アスファルトの表面か何かが溶けたような嫌な匂いが立ち込める。
伊達と怜迩の無事を確認した後、一哉は迷わず車に向かって駆け寄った。
急停止によって車体が揺れ、その影響によって大きく体も揺さぶられたに違いない。
運転席に座る男はハンドルにもたれるようにして、背中を丸め、大きく深呼吸を繰り返していた。
一哉は、その男の姿を窓の外から一瞥した。
一哉が太陽の光を遮るようにして立っていたために、不自然な影ができたことによって車内の男は、顔をゆっくりと持ち上げた。
しかし、次の瞬間持ち上げた足で一哉が強く車体を蹴り付けたことによって生じた音にびくりと体を震わせた。
そして、さらに男―山崎は、一哉の般若然とした鬼気迫る表情にひっと喉の奥で悲鳴を飲み込んだ。
それと時、同じくして、ガラスが一瞬に割れる音がしたと思ったの束の間、自分の脳が揺れるのを山崎は感じた。
砕けたガラスがぼろぼろと零れ落ちる音と、ぐわんぐわんと揺れる視界。
一哉が車を力いっぱいに蹴り付けるとべこっと車体は変なへこみを作った。
力を入れれば入れるほど、己の体に返ってくる反動はさらに強い衝撃となる。
硬い金属を蹴ったことによって自分の右足は、じんじんと痺れてはいたが、構わずに肘を思いっきり力を入れて、窓ガラスに叩き付けた。
ピシッと言うガラスに日々の入る音がしたと思ったら、次の瞬間には粉々に砕け、そのまま運転席に座っていた男の右頬にヒットした。
醜い悲鳴が一哉の聴覚を刺激する。
一哉の肘が入った頬を押さえながら呻く男を気にすることなく、一度引いた腕を伸ばして肘についたままのガラスの破片を振り落とすと、もう一度腕を伸ばして、かかっていたロックを外すと、乱暴に扉を開け、痛みに呻く男を引きずり下ろした。
一哉は、男の頤を掴み上げ、ぎりぎりと力を入れて締め上げた。
苦しげな呻き声に煩わしげに眉間に皺を寄せた。
「覚悟はできてんだろうな。てめぇ」
地を這うような声に、今にも意識さえ飛んでしまいそうな男は、戦慄を覚えた。
更新日記と小説(18禁)とたまに嘆き.
嫌いな方・興味のない方・間違っちゃった方はバックバック
2008
みなさま、2日振りです。
あちこち飛び回ってからだにガタがきはじめた管理人です。
健康診断で、精密検査受けろとしつこく言われて辟易してます。
酒を控えろといわれて、誰が控えるものかと変な反抗心を抱いている管理人です。
これから逃避行の旅に出かけるのですが…。
その前に、VizardをUPしてみました。
何日ぶりの更新なんだか…。
あちこち飛び回ってからだにガタがきはじめた管理人です。
健康診断で、精密検査受けろとしつこく言われて辟易してます。
酒を控えろといわれて、誰が控えるものかと変な反抗心を抱いている管理人です。
これから逃避行の旅に出かけるのですが…。
その前に、VizardをUPしてみました。
何日ぶりの更新なんだか…。
2008
Vizard(77)
以前から、感じてはいたのだ。
ただ、分かってはいても認めたくなかっただけなのだろう。
己の口から彼の名前を呼びたくなかった―。
想像と言う名の確信を現実というものとして認識したくなかったのだ。
知らない振り、気づかない振り―。
こうすることは、簡単だったかもしれない。
しかし、本来愚直な伊達にはできなかったのだ。
伊達が、一哉の補佐という形で怜迩のボディガードとして働くようになってから数日経過していた時だった。
未だに悩みのようなものを抱えていた伊達だったが、日の経過とともに違和感を感じ始めていた。
最初は、ほんの偶然としか彼も思っていなかった。
怜迩を見送った後、すぐに姿を消した一哉においていかれるような形になった伊達が、今日はどうしたものかとくるりと体の向きを返した瞬間に目があった。
すぐ近くにいる見慣れた姿に伊達は、目を見開いて驚いた表情をしてみせた。
記憶に馴染んだ後姿は、すぐに彼だと理解できた。
考えるよりも先に体が動いていたというのが正しいだろう。
自然と口をついて言葉が滑り落ちた。
伊達には気付くことのなかった男が、己の名が呼ばれたことに驚いて体が硬直したように背筋をぴしっと伸ばして、ゆっくりとぎこちない動きで振り返った男の顔に、伊達の眉間に皺が自然と寄った。
それは、男の顔が何かを繕うように卑屈な笑みが浮かんでた所為かもしれない。
「だ…伊達。あ…、お前こそ…」
「私のクライアントがこちらにいますから。山崎さんは?」
落ち着いた声で伊達が答え、一歩近づくとさらに男の顔は強張った。
「俺のクライアントも…」
「そうですか。では、私はこれで」
あからさまな不自然さにも伊達は、気づかない振り―気にしないように自分に言い聞かせた。
これ以上、不信感を抱く前に怜迩が校舎から姿を見せてくれたことは、伊達にとって有難いことだった。
怜迩が戻ってきた以上、その場に留まる理由は何一つない。
「あ…、ああ」
正直なところ、この時から確信めいたものはあったのかもしれない。
自分が慕う男の暗い影に―。
その日以来、伊達は自然と以前よりも目を周囲に配るようになった。
その所為もあってか余計に目がつき始めた。
自分でさえ違和感を覚えているのだから、一哉が気づかないはずはない。
もの言いたげな一哉の視線を感じつつも伊達は、何一つ気づかない振りをし続けた。
しかし、それも長くは続かなかった。
自分が出向く先々にいるのだ。
怜迩がすぐ側にいるときのみ…。
伊達が1人でいるときには、気配はなかった。
そうとくれば、例え鈍感な人間であろうとその真意に気づくはずだ。
それが、一般の人間ならば気づかないであろう、さりげなさであっても同業者に通用するはずもなかった。
伊達は、一般に言うならば普通というカテゴリに分類される人間でもない。
ましてや、もうこの世界に7年も身をおいている伊達にしてみれば、気づかないとでも思われているのだろうかと邪推してしまうほどだった。
普通の神経をした人間ならば、気味悪さを感じて然るべきだろう。
伊達にとって守るべき対象が怜迩であり、己の仕事は彼を危険に晒さないこと。もし、危険がすぐ側に来ているだとしたら、回避すること。
それは、怜迩と離れていてはなかなか難しい。
故に、一緒にいる時間は多い。
従って、たとえ自分ではなくとも自分がつけられているのではないかと思ってしまうのも仕方ない。
そして、通常の感覚の持ち主ならば気味の悪さを感じるものなのかもしれないが、それ以前に感じるべきは、危機感だろう。
そう。
自分ではなく。自分が守るべき対象の―。
いくら、己が世話になった男とは言え、自分の仕事、即ち、己がプライド、己の評価に直結するものまで明け渡すことなどできない。
迷った末に、現在の自分のクライアントである一哉に打ち明けた。
ずっと気づいていたことは、既に承知の上かもしれないと伊達は、構えていた。
どんな辛辣な言葉が出てくるのかと戦々恐々としていた。
しかし、帰ってきたのは声を荒げるわけでもなく、まるで詰まらないものを聞いたかのような無感情な平坦な声だった。
「いつから…?」
端的に、それ以上聞かなかった。
しかし、それに続く言葉を伊達は的確に理解していた。
―気づいていたのはいつからだ…。
と。
最初に引っかかりを覚えた時を正直に伝えた伊達に彼は一瞬だけ口の端を持ち上げ、笑ってみせた。
秀麗な顔に浮かんだ笑みを目撃した伊達が呆けた顔で、もう既に無表情に戻った一哉の顔を凝視し続けていた。
「殊の外、間抜けじゃなくて良かった」
とどこか揶揄するような台詞だったが、伊達は呆然と一哉の顔に見蕩れていたために、その言葉に反応できるまでに、いつもより時間がかかった。
しかし、それ以上何も聞かれることもなかった。
どうして良いかわからずに迷いあぐねた結果、相談の意味も籠めて一哉に伊達は聞いたのに、彼は答えをくれるどころか、それっきり何も言ってはくれなかった。
そして、そのまま時間は経過してその日が来たのだ。
心臓が早鐘を打つのは、命の危険に晒されたであろうか。
それとも、受け入れたくない事実から目を背けたいという心の現われか。
ただ、分かるのは自分が危険から庇うように抱きかかえた子供の体温が伝わってきて、まだ幼い彼が生きているということを告げる温もりだけだ。
彼の―怜迩の無事と怪我がないことを確認すると怜迩を立たせて、自分も立った。
そして、急ブレーキによって急停止したままの車へと近づいていった伊達だった。
そこには、一哉の手によって外に引きずり出された男が萎縮して地面に座っていた。否、座らされていた。
首根っこを乱暴に掴まれ、いつもはかっちりと着込んだスーツがよれよれになり、惨めに項垂れる姿を見た瞬間に伊達の口から滑り落ちるように力ない声で男の名が紡がれた。
「山崎…さん」
がっくりと地面だけを見つめていた男だったが、その聞き覚えのある伊達の声には反応したように顔をあげた。
伊達と男の目があった瞬間、2人の視線は180度全く異なるものだった。
縋るような男の瞳と―。
軽蔑の意味を含んだ伊達の瞳。
そこには、伊達がかつて憧れ、尊敬していた男の面影など一切残ってはいなかった。
「あんた。何がしたかったんだ…」
ただ、分かってはいても認めたくなかっただけなのだろう。
己の口から彼の名前を呼びたくなかった―。
想像と言う名の確信を現実というものとして認識したくなかったのだ。
知らない振り、気づかない振り―。
こうすることは、簡単だったかもしれない。
しかし、本来愚直な伊達にはできなかったのだ。
伊達が、一哉の補佐という形で怜迩のボディガードとして働くようになってから数日経過していた時だった。
未だに悩みのようなものを抱えていた伊達だったが、日の経過とともに違和感を感じ始めていた。
最初は、ほんの偶然としか彼も思っていなかった。
怜迩を見送った後、すぐに姿を消した一哉においていかれるような形になった伊達が、今日はどうしたものかとくるりと体の向きを返した瞬間に目があった。
すぐ近くにいる見慣れた姿に伊達は、目を見開いて驚いた表情をしてみせた。
記憶に馴染んだ後姿は、すぐに彼だと理解できた。
考えるよりも先に体が動いていたというのが正しいだろう。
自然と口をついて言葉が滑り落ちた。
伊達には気付くことのなかった男が、己の名が呼ばれたことに驚いて体が硬直したように背筋をぴしっと伸ばして、ゆっくりとぎこちない動きで振り返った男の顔に、伊達の眉間に皺が自然と寄った。
それは、男の顔が何かを繕うように卑屈な笑みが浮かんでた所為かもしれない。
「だ…伊達。あ…、お前こそ…」
「私のクライアントがこちらにいますから。山崎さんは?」
落ち着いた声で伊達が答え、一歩近づくとさらに男の顔は強張った。
「俺のクライアントも…」
「そうですか。では、私はこれで」
あからさまな不自然さにも伊達は、気づかない振り―気にしないように自分に言い聞かせた。
これ以上、不信感を抱く前に怜迩が校舎から姿を見せてくれたことは、伊達にとって有難いことだった。
怜迩が戻ってきた以上、その場に留まる理由は何一つない。
「あ…、ああ」
正直なところ、この時から確信めいたものはあったのかもしれない。
自分が慕う男の暗い影に―。
その日以来、伊達は自然と以前よりも目を周囲に配るようになった。
その所為もあってか余計に目がつき始めた。
自分でさえ違和感を覚えているのだから、一哉が気づかないはずはない。
もの言いたげな一哉の視線を感じつつも伊達は、何一つ気づかない振りをし続けた。
しかし、それも長くは続かなかった。
自分が出向く先々にいるのだ。
怜迩がすぐ側にいるときのみ…。
伊達が1人でいるときには、気配はなかった。
そうとくれば、例え鈍感な人間であろうとその真意に気づくはずだ。
それが、一般の人間ならば気づかないであろう、さりげなさであっても同業者に通用するはずもなかった。
伊達は、一般に言うならば普通というカテゴリに分類される人間でもない。
ましてや、もうこの世界に7年も身をおいている伊達にしてみれば、気づかないとでも思われているのだろうかと邪推してしまうほどだった。
普通の神経をした人間ならば、気味悪さを感じて然るべきだろう。
伊達にとって守るべき対象が怜迩であり、己の仕事は彼を危険に晒さないこと。もし、危険がすぐ側に来ているだとしたら、回避すること。
それは、怜迩と離れていてはなかなか難しい。
故に、一緒にいる時間は多い。
従って、たとえ自分ではなくとも自分がつけられているのではないかと思ってしまうのも仕方ない。
そして、通常の感覚の持ち主ならば気味の悪さを感じるものなのかもしれないが、それ以前に感じるべきは、危機感だろう。
そう。
自分ではなく。自分が守るべき対象の―。
いくら、己が世話になった男とは言え、自分の仕事、即ち、己がプライド、己の評価に直結するものまで明け渡すことなどできない。
迷った末に、現在の自分のクライアントである一哉に打ち明けた。
ずっと気づいていたことは、既に承知の上かもしれないと伊達は、構えていた。
どんな辛辣な言葉が出てくるのかと戦々恐々としていた。
しかし、帰ってきたのは声を荒げるわけでもなく、まるで詰まらないものを聞いたかのような無感情な平坦な声だった。
「いつから…?」
端的に、それ以上聞かなかった。
しかし、それに続く言葉を伊達は的確に理解していた。
―気づいていたのはいつからだ…。
と。
最初に引っかかりを覚えた時を正直に伝えた伊達に彼は一瞬だけ口の端を持ち上げ、笑ってみせた。
秀麗な顔に浮かんだ笑みを目撃した伊達が呆けた顔で、もう既に無表情に戻った一哉の顔を凝視し続けていた。
「殊の外、間抜けじゃなくて良かった」
とどこか揶揄するような台詞だったが、伊達は呆然と一哉の顔に見蕩れていたために、その言葉に反応できるまでに、いつもより時間がかかった。
しかし、それ以上何も聞かれることもなかった。
どうして良いかわからずに迷いあぐねた結果、相談の意味も籠めて一哉に伊達は聞いたのに、彼は答えをくれるどころか、それっきり何も言ってはくれなかった。
そして、そのまま時間は経過してその日が来たのだ。
心臓が早鐘を打つのは、命の危険に晒されたであろうか。
それとも、受け入れたくない事実から目を背けたいという心の現われか。
ただ、分かるのは自分が危険から庇うように抱きかかえた子供の体温が伝わってきて、まだ幼い彼が生きているということを告げる温もりだけだ。
彼の―怜迩の無事と怪我がないことを確認すると怜迩を立たせて、自分も立った。
そして、急ブレーキによって急停止したままの車へと近づいていった伊達だった。
そこには、一哉の手によって外に引きずり出された男が萎縮して地面に座っていた。否、座らされていた。
首根っこを乱暴に掴まれ、いつもはかっちりと着込んだスーツがよれよれになり、惨めに項垂れる姿を見た瞬間に伊達の口から滑り落ちるように力ない声で男の名が紡がれた。
「山崎…さん」
がっくりと地面だけを見つめていた男だったが、その聞き覚えのある伊達の声には反応したように顔をあげた。
伊達と男の目があった瞬間、2人の視線は180度全く異なるものだった。
縋るような男の瞳と―。
軽蔑の意味を含んだ伊達の瞳。
そこには、伊達がかつて憧れ、尊敬していた男の面影など一切残ってはいなかった。
「あんた。何がしたかったんだ…」
2008
もももも…
も、も、もっそい申し訳ありません!!
放置プレイもいいところです(´Д`)
全くネット生活から離れておりまして遊びに没頭していたらこの有様です(ToT)
ライブ行ったり旅行行ったり地元帰ったり…今週末も仕事ほったらかして逃避行の旅に出かけます
(私のことはどーでもいいですよね…)
仕事の合間にはいった某全国チェーンコーヒーショップで思い出したようにメール&拍手コメントチェックしてちょいと青ざめました…
たくさんコメントいただき、裏についての質問やVistaでの不具合(ほんとにVistaは使いにくい!)や話がありすぎてわからん等の連絡頂きまして嬉しい反面、自分の不義理な対応に凄く反省してます
お詫びついでに…
拍手コメントですが、9月5日以前にコメント下さった皆様…
消えてしまいました(´Д`;)
ほんまに申し訳ありません
せっかく下さったのに、こんなことになるなら下げておくべきでした
私の活力源が!?
頂いたメールにつきましては近いうちに必ずお返事させて頂きます。
更新もさせて下さい
見限らないでお付き合いくださると嬉しいです
も、も、もっそい申し訳ありません!!
放置プレイもいいところです(´Д`)
全くネット生活から離れておりまして遊びに没頭していたらこの有様です(ToT)
ライブ行ったり旅行行ったり地元帰ったり…今週末も仕事ほったらかして逃避行の旅に出かけます
(私のことはどーでもいいですよね…)
仕事の合間にはいった某全国チェーンコーヒーショップで思い出したようにメール&拍手コメントチェックしてちょいと青ざめました…
たくさんコメントいただき、裏についての質問やVistaでの不具合(ほんとにVistaは使いにくい!)や話がありすぎてわからん等の連絡頂きまして嬉しい反面、自分の不義理な対応に凄く反省してます
お詫びついでに…
拍手コメントですが、9月5日以前にコメント下さった皆様…
消えてしまいました(´Д`;)
ほんまに申し訳ありません
せっかく下さったのに、こんなことになるなら下げておくべきでした
私の活力源が!?
頂いたメールにつきましては近いうちに必ずお返事させて頂きます。
更新もさせて下さい
見限らないでお付き合いくださると嬉しいです
2008
UPしました。
すっかり肌寒くなってきましたね。
ですが、夏バテ中の管理人です。こんばんは…。
だるいです。
ご飯食べる気力ないです。
何故だ…。
先週末は飲み歩いていたら更新作業忘れておりましてん。
今日は、寝る前に思い出したので、UPUPです。
今日、ぼけ~としながらパソ子と格闘しておりましたら、漸くvizardが終わりました。イエー。
もう絶対こいつら書かねと終わった側から思っております。
実にどれだけの期間をこいつらに費やしたことか…。
その間に書きたいことも溜まってくっちゅーねん。と。
終わったので講座に力を入れようと思ったのですが、ファイル開いた状態からだるーとなって、
一文字も進んでいないという有様。
あはは…、vizardだけの所為ではありませんでした。
すっかり肌寒くなってきましたね。
ですが、夏バテ中の管理人です。こんばんは…。
だるいです。
ご飯食べる気力ないです。
何故だ…。
先週末は飲み歩いていたら更新作業忘れておりましてん。
今日は、寝る前に思い出したので、UPUPです。
今日、ぼけ~としながらパソ子と格闘しておりましたら、漸くvizardが終わりました。イエー。
もう絶対こいつら書かねと終わった側から思っております。
実にどれだけの期間をこいつらに費やしたことか…。
その間に書きたいことも溜まってくっちゅーねん。と。
終わったので講座に力を入れようと思ったのですが、ファイル開いた状態からだるーとなって、
一文字も進んでいないという有様。
あはは…、vizardだけの所為ではありませんでした。