忍者ブログ
更新日記と小説(18禁)とたまに嘆き. 嫌いな方・興味のない方・間違っちゃった方はバックバック

2026

0322
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2007

0827
「だからさー」
「っつーか、それはお前がおかしいんだって」
「ま、飲めばいんじゃね?」

面白いくらいに会話がかみ合わない。
何かあれば、飲めばいいという言葉で括られる。

毎回のことだが、何とかならないんだろうかと思いつつも「ま、飲めばいいか」と思う自分は相当染まってきているのかもしれないと思う深岬。
目の前に置かれたコップは、なみなみに酒が入っている。
安い焼酎のオレンジジュース割り。
たまにビール。
これがいつものメニューだった。

ちょびちょび飲んであらかじめいざという時のために減らしておくのも良し。
コールがかかった時に、一気にあけるのも良し。
そこは自由なのだが、失敗して飲みすぎると次が注がれるから要注意。

「今年の新歓いつ?」

いつものように、雪子、小島、坂上の3人に深岬が何故か混じって飲んでいると気の知れた者同士で飲んでいるということもあるが、酔うといつもより表情が豊かになる小島が雪子と坂上を見て聞いた。

「5月の第二週の土曜日」
「あれ、交流戦は?」
「その次」
「しっかりしてよ、リョウちゃん。次期部長だよ」
「あ、そうなんですか?」

深岬が驚いた声をあげると他の3人の視線が深岬に集まる。
雪子たちの代で練習によく参加しているのは、小島と坂上だ。若干、小島の方が来る回数は多いかもしれない。女子ではダントツで雪子。
だが、どちらかと言えば坂上の方が部長に向いている気がしてならない深岬は不思議でならなかった。
その深岬の疑問をくみ取ったのか坂上が答えてくれる。

「あー去年の夏から秋くらいには俺って話も出てたわけよ?」
「それが、何で?」
「俺、めんどくさいの嫌いだからさー。それに一時期嫌気がさして部活に顔出さなかった時期があって先輩達も焦ったみたいだわ。俺に任せたら危険だからって」
「部長って指名制なんですか?」
「いいや、違うよ。その学年で話し合って決めたらいいけど、大体先輩達の予想するの人間が部長になるらしいんだよなこれが」
「それに、坂上はリョウちゃんに俺は部長なんかやりたくなーいって言ったんだよね?」

雪子の言葉に全く悪びれることもなく頷く坂上だった。

「そうそう。他人の世話なんか見てられっかーってね」

豪快に笑いながら言う坂上に首をかしげずにはいられない深岬。
自分一番みたいな台詞をはいておきながら、今部活の練習に顔を出してて一番下の学年―要は深岬達一年生だが、新入生に一番声をかけたりして気を配っているのは、坂上のような気がするのだ。
もちろん、雪子もそうだが。

「サシで飲みに行って、リョウちゃんに頼むよって言ったらリョウちゃんが笑顔で頑張るよって言うからリョウちゃんが次期部長」
「へぇ。じゃあ、雪子が副部長?」
「分かってるじゃん」
「じゃあ、飲も!」

すっかり出来上がっている小島が割り込んでくる。
『うっわー、うざい』と思ってても口には出さない深岬だった。
何より、楽しんでいるのだから仕様がない。

「新歓って何するの?」
「まあ飲み会だけど、オフィシャル飲み会だからこーゆー感じじゃなくてもっと激しくなるなぁ」
「まあね。最初はびびるだろうな」
「新歓っていう名目だけど上級生が騒ぐだけだしね」

聞けば聞くほどいいイメージがわかない。

「自己紹介させていただきまーすってね」
「あれはびびった」

雪子が目を見開いて言うもんだからそれは相当だったのかもしれない。

「もう今じゃ普通だけどね~。交流戦行く度にさせられるんだから慣れるわよ」
「この時期、新歓荒らしも出るけどウチは部員全員が新歓荒らしみたいなものだしなぁ」
「去年もいたいた」

やっぱり…と確信を持たざるを得ない。

「OBとかも顔を出してくれるし、普段あんまり練習にこない人たちもくるよね」
「それが腹立つ」

とコップを握り締めていうのは坂上だった。
少し酒が入ると気性が荒くなる坂上。
雪子と小島は気にした様子はないから、まだ大丈夫なのだろうけど、聞くところによると何回か店の壁を壊したり、ものを壊してきたこともある男だ。
練習にこない相手に向かって、言う彼の言葉はまあ仕方ないんだろうと思って深岬も聞き流していた。

「部活なんだから来いよっつーんだ」
「まぁまぁ、4年は就職活動あるしね?」
「4年はいいんだよ!問題は、3年だよ3年。あいつら、まだ幹部じゃねぇ俺達に押し付けてこねぇじゃねぇか」

宥めるような雪子の声にも納得がいかないようにドンっと机を叩きつける。
この時点で、坂上はも結構酔っていたのかもしれない。
その後は、出来上がって周囲を把握できていない小島の妙なノリと雪子が坂上を宥めていつも通りの空気に戻ったのだが、深岬からしてみれば坂上の意外なところを知ったという感じだった。
いつも笑いながら練習に参加しているときは、何だか周囲を盛り上げている男でちゃらちゃらしたような雰囲気を回りにアピールするような感じだが、根はまじめで熱い男なのかもしれないと普段見せる彼とのギャップのようなものを感じて、何だか落ち着かない深岬だった。
それと同時に、何だかその日は、部活の深遠を見たような気がした。






新入生が増えれば、当然帰りが一緒の方向の子も増える。
頻繁に飲み会をしている雪子たちだが、深岬が毎回のようにそれに参加するわけではない。
3人で話したいこともあるだろうし、特に気にも留めていない深岬だった。
部活が終わった後、食事に行って帰りは一緒の方向の子と途中まで一緒に帰る。
電車の中で取りとめのない会話を繰り返す。
その内容は、部活のことだったり、学校の授業のこととかいろいろある。
女の子同士なら尚更話題は次から次へと山のように出てくる。
ある日の帰り、3人で帰っていると1人の深岬と同じ学年の子が切り出してきた。

「ねぇねぇ、何で深岬ちゃんは、雪子サンのこと呼び捨てで呼ぶの?」
「あ!それ私も思った」

すっかり上級生の間では浸透していたが、新入生の中では違ったのかもう一人も異様に食いついてくる。

「あー、雪子とは中学の時、3年間同じ部活で…。高校になってからも何回か会ってたから。私一浪だし」

と説明したら納得してくれたようで深岬はほっとする。
すぐに彼女達の話題は別の話題に移る。

「色んな先輩から聞くんだけどさ…。雪子さんんと小島さんってどうなってんの?」

そこが彼女達が本当に聞きたかったところかも知れない。

「さぁ?坂上さんから聞いた話だと雪子の一方通行らしいよ。」
「あ、そうなんだ」

深岬がさらりと答えると2人は顔を見合わせて頷きあっている。

「何で?小島さん狙ってるの?」
「そういうわけじゃないけど…」

と否定はするものの、全くゼロというわけでもなさそうな様子だった。
まあ、あれだけ格好よければ多少コミュニケーション力が欠けていても問題はないかもねと深岬も彼女達の様子を見ながら思った。
だが、すぐに話が変わる。

「坂上さんはどうなんだろうね」
「遊んでそうなイメージだけど」
「それは、確かにそうかも」
「深岬ちゃんはどう思う?」

と話を振られて頭の中に坂上の姿を思い浮かべる。
あまりそう言った話は聞かないけどどうなんだろうと首を傾げる深岬。
あの性格で彼女がいないということもないだろうと思いながら、今度、雪子にでも聞いてみるかと考えていた。

「まぁ、彼女くらいはいるんじゃない?」
「やっぱそうだよね」

と下らない話で時間が過ぎていった。
PR
Post your Comment
Name:
Title:
Font:
Mail:
URL:
Comment:
Pass: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
trackback
この記事のトラックバックURL:
カレンダー
02 2026/03 04
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
フリーエリア
最新CM
[02/18 誤字報告]
[02/16 MN]
[04/14 sega]
[01/27 海]
[06/27 けー]
最新記事
(12/31)
(09/25)
(06/28)
(03/01)
(02/24)
最新TB
プロフィール
HN:
HP:
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
最古記事
(01/01)
(01/01)
(02/10)
(02/10)
(02/11)
忍者ブログ [PR]
* Template by TMP