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更新日記と小説(18禁)とたまに嘆き. 嫌いな方・興味のない方・間違っちゃった方はバックバック

2026

0322
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2007

0813
翌朝、昼の1時から始まるという部活の勧誘会に間に合うように家を出る。
昨日と同じように2時間近くかけて大学に向かう。
深岬は、2日目にしてもう、面倒くささを感じていた。
それでも、一人暮らしは絶対にさせては貰えない。あの母親には何を言っても無駄だということが深岬には娘として産まれ着いたこの19年を通じてわかりすぎるというほどわかっていたからだ。
昨日の違うのは、昨日のようにスーツにパンプスという格好ではなく、いつものようにジーンズにスニーカーという出で立ちなだけだった。

駅から少し離れた位置にある広い大学構内は、徒歩で歩くには面倒だった。
昨日と変わらず咲き乱れる桜並木の通りを歩きながら、深岬は自転車でも買うかなどと考えながら歩いた。

「深岬ちゃん?」

そんな深岬に声が掛かる。
顔を声のした方に向けるとそこには、昨日少しの時間で親しくなった涼子の姿がある。

「涼…子ちゃん?」

少し驚きながらも深岬が返すと涼子は満面の笑みを浮かべながら、自転車から降りると深岬の横を自転車を手で押しながら歩く。

「やっぱりそうだった。後ろ姿が、似てるなーと思ったの。部活の勧誘会見に行くの?」
「うん、まぁ。そっちは?」

もうほとんど決めてるから、あんまり見に行く必要はないかもとは思いつつも深岬は適当に相槌を打った。

「私もー。もう、ほとんど決めてるんだけどね」

と屈託なく笑う彼女はやっぱり可愛かった。
2人並んで歩いていたが、自転車止めてくると言って姿を消す涼子。
涼子が消えていく姿を眺めながら、深岬は彼女が戻ってくるのを待っていた。
スカートにパンプス、春らしい色のカーディガンを羽織った彼女の姿は、彼女によく似合っていて可愛い。
ジーンズにスニーカーの自分と並んでいると少し奇妙な取り合わせになるだろうと思った。

「ごめんね。お待たせ」

駆け寄ってきた涼子に首を振って見せると2人でその会場となっている場所に入っていく。
広い講堂に入る前のロビーには、ブースが作られており、そこが何の部活のブースであるか一目で分かる。
深岬と涼子が入ってきた扉の近くには、いくつもの部の人間が昨日、新入生に向けて配っていたビラを持って待ち構えている。
早速、一人が声をかけてくる。

「新入生だよね?」

笑顔の上級生に少しの胡散臭さを感じつつも、深岬も涼子もおずおずと頷く。

「水泳部なんだけど、興味ある?」

と聞かれてもさっぱりで。
2人とも「あんまりです…」と答えても声を掛けてきた上級生はめげない。

「初心者でも全然OKだから、また見にきて」

と言いながらちゃっかりと深岬と涼子にビラを握らせてまた次の新入生を探しに2人の前を離れて行った。
深岬はここで立ち止まっていたらさっきのような勧誘に何度も合うだろうと思い、涼子と2人で急いで講堂の中に入っていく。
中にはちらほらと椅子に座って舞台の部活紹介を見ている新入生の姿がある。
中には、今まさに舞台に出ているであろう関係者もいる。
深岬たちは、適当な場所に座ると舞台に目を向ける。
だが、全くと言っていいほど興味のない部活であったので、深岬は退屈そうに欠伸をした。
横目でちらりと涼子を確認すると、涼子も同じなのか、少しばかり退屈そうな顔をしながらカバンから携帯を取り出して、メールチェックをしている。

「ねぇ、授業何とるか決めた?」
「んーん。まだ考え中。深岬ちゃんは?」

深岬の小さな問いに、涼子は携帯電話をカバンの中にしまう。

「どうしようかなぁってところ。一般教養って何とればいいんだろうね」
「そうだよね。やっぱそういう情報捕まえるなら、部活とかサークルかなぁって思ってるんだよねぇ」

ということを言った彼女に深岬の涼子を見る目が少し変わる。
もしかして、この子結構強かかも…と思ってまじまじと涼子の可愛らしい顔を食い入るように見つめる。
彼女は、全く悪意のないような笑みで深岬を見返す。

「学科のセンパイが沢山いる部活ってどれなんだろう?あ、私ね。テニスサークルか何か入ろうと思ってるんだけど、そこにいたらラッキーだなぁ」
「……あ、…テニスサークルだったら何か色々あるっぽいから、その中の一つくらいには、学科のセンパイいるかもね…」
「いろいろ見てみようっと。あ、深岬ちゃんは、何のサークル入るの?」
「私は、バドミントンかなぁ。中高とずっとやってたし」
「体育館のスポーツだから、焼けなくていいよね」

と笑う涼子に合わせるようにして笑みを浮かべる。
その後も、見ていても面白くない部活紹介から逃げるように2人は講堂から出る。

「あ、テニスサークルのブースだ」
「行ってくれば?」
「ちょっと待ってて」

と言って姿を消す涼子の背を見送る。
待っててと言われてしまえば、勝手に去ることもできない。
涼子の姿を見ながら、深岬はぼんやりと辺りを見回した。
深岬の立つ位置から少し離れたロビーの隅っこに深岬が入部しようと考えていたバドミントン部のブースを見つけた。
新入生の姿はなく、部のジャージを着た人間が数人そのブースにはいた。
彼らだけで騒いでいるようだったが、その姿は遠めに見ても楽しそうだった。
あんまりきちんとした部活じゃないのかもと思った深岬だが、それならそれで遊ぶにはもってこいの部活だなぁと考えながら見ていると涼子が戻ってきた。

「ごめんね。お待たせ…あ、バドミントン部だねぇ。行く?」

深岬の視線の方向にあるものを見つけた涼子が深岬に尋ねれば、深岬も断る理由もなかったので、頷いて涼子と2人で並んでその隅に位置するブースへと向かう。
別に涼子についてきてもらわなくも良かった深岬だが、まぁいいかと考えながらその場所へと向かう。
深岬たちが近づいていっても気付く気配もなく、騒ぎ合っている部員達の姿。

「あの…」

深岬が恐る恐る声を掛けたところで、彼らはやっと反応する。
明らかに新入生だとわかる深岬と彼女の後ろにいる涼子を見て、飛びつくように椅子に座りなおす。

「ゴメンゴメン。バド部に興味あり?」

と清清しい笑みで聞いてくる男に深岬は頷く。
すると男は、歓声を上げて後ろに控えている他の部員も呼ぶ。

「おーい。入部希望の新入生だってよぉー」
「マジで?」

と言ってはわらわら集まってくる彼らの威圧感に深岬は少し来たの間違いだったかもと思わずにはいられない。

「お、2人とも?」

そのうちの一人が、深岬の後ろにいる涼子もきっと入部希望だと思ったのだろう。そう訊いてきた。

「違いますよー。私は、付き添いです」
「なんだぁ」

とあからさまに残念そうな声を出したのが、印象的で深岬はその男の顔を見た。

「サカガミ。チョー失礼だし」
「ごめんねぇ」

他の部員だろうか、彼と同じジャージを来た人間達がこぞって彼に絞め技をかけたり、小突いたりしているのを身ながら「いいえ」と苦笑いを浮かべて深岬は応対する。
別にこんなことで傷ついたりはしない。
慣れている。

「あ、座って座って。お友達もどうぞー」
「はい」
「はぁい」

机の前に並べてあるパイプ椅子に涼子と並んで座る。

「ゴメン。寝坊したー」
「雪子。来るの遅ぇよ」
「新入生きてるし」

一際明るい声が聞こえてきたかと思うと、一気にその場が明るくなる。
深岬は声のした方に何気なく顔を上げるとよく見知った顔をそこに見つけてびっくりしたように目をまん丸にした。
深岬の異変に、彼女の目の前に座る男の部員が深岬の凝視している方向を見た。

「あれ?どうかした?」
「あぁ!!」
「雪子どうした?何かあったか?」

遅れて登場した他の部員同様、部のジャージを身に纏った女子部員が深岬を指さしては、大きな声で叫ぶものだから皆の視線が深岬に集まる。

「深岬じゃん!何々?ここの大学入ったの?」
「雪子…。ってかあんたの大学ってここだったの?」
「あれ言ってなかったっけ?」

深岬は、椅子から立ちあがり彼女を指差す、相手は同じように深岬を指差しながら、深岬に近づいてくる。
それは予想外の再会だった。
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